本市では、高齢者への虐待に関する相談件数が年々増加しています。高齢者虐待は、高齢者の尊厳を損なう重大な権利侵害です。虐待を早期に発見し、支援することができれば、住み慣れた地域でその人らしく生活できます。「虐待かどうかわからないし…」、「家庭内のことだし…」と思わず、気になる「気づき」を大切にして、一人で抱え込まずに相談ください。
■どうして高齢者虐待が起こるの?
介護負担を抱え込むことが虐待のリスクにつながっている傾向が見られます。これらは個別的・環境的なさまざまな要因が重なり合って発生しており、このような傾向は全国的にも同じです。「虐待防止に関する啓発」と「介護方法や認知症の正しい知識と望ましい対応の啓発」は両輪で継続する必要があります。
◇環境の要因
・近隣との付き合いが少なく孤立している
・介護者以外の人が介護に協力的でない など
◇高齢者の要因
・認知症で自分の要望がうまく伝えられない
・要介護度が悪化し、体が十分に動かない(排せつ動作の失敗や身辺動作に介助を要す) など
◇介護者の要因
・適切な介護の仕方や認知症への対応が分からない
・家族間の関係が悪く、介護が思うようにできない など
■どんな行為が高齢者虐待なの?
体への暴力だけでなく、心を傷付けることや世話をしないことも虐待にあたります。
◇身体的虐待
・たたく、つねる、殴る、蹴る。やけどや打撲、けがをさせる。
・リハビリを強要する。
・部屋に閉じ込める。ベッドや車いすに縛り付ける。
◇心理的虐待
・「死ね」「消えろ」などの暴言、怒鳴る、ののしる、悪口を言う。
・排せつの失敗を嘲笑(ちょうしょう)するなど恥をかかせる。
・高齢者が話しかけているのを意図的に無視する。
◇放棄・放任
・食事や水分を十分に与えず、低栄養や脱水状態になる。
・おむつを替えずに放置する。
・高齢者にとって必要な医療や介護サービスを受けさせない。
◇経済的虐待
・本人のお金を渡さない、使わせない。
・年金や財産を本人の意思、利益に反して利用する。
・本人の財産を不当に処分する。
◇性的虐待
・わいせつな行為を強要する。アダルトビデオを見せる。
・排せつの失敗に対して、懲罰(ちょうばつ)的に裸や下着姿で放置する。
▼無自覚で虐待をしてしまうことも
介護者は、知識不足や気持ちに余裕がないことで、自分がしている対応が不適切なことと気づかず、結果的に虐待につながっている場合があります。
■みんなの「気づき」で未然に防ごう
虐待をより早期に発見し、高齢者や家族を支援していくためには私たちの「気づき」や一人ひとりが「気にかけること」が大切です。高齢者や家族の言動、暮らしの様子などから虐待につながる小さな気づきを大切にし、地域でも支え合っていきましょう。
▽地域でできること
・普段からのあいさつ
・声掛け
■悩まないで、まずは相談を
困りごとを抱えている高齢者やご家族は一人で悩まず、お住まいの地域包括支援センターや当課に相談ください。また、地域の皆さんだからこそ気づく「今までと様子が違う」「様子が心配」と思った場合も相談ください。
※守秘義務により、相談者や相談内容の秘密は守られますので安心してください。
問合せ:長寿福祉課
【電話】31-3737【FAX】31-3738
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