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ふるさと再発見 Re:discovery Omihachiman 第67回

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滋賀県近江八幡市

■古(いにしえ)写真館
(4)災害の記憶
台風や大雨の季節となってきました。近年は毎年のように洪水や土砂災害の危険が発生しており、災害に対する備えが大事になっています。今回は過去の自然災害の古い写真を見ながら、災害について今一度考える機会にしたいと思います。
自然災害の中で、地震は令和6年の1月に起こった能登半島地震の記憶が新しいところですが、県内における直下型地震では明治42(1909)年8月14日に起こった姉川地震が知られています。姉川付近を震源にマグニチュード6・8、滋賀県から福井県に渡って伸びる柳ヶ瀬断層の活動によるもので、彦根で震度6、県内全域で震度5から4を記録しています。それより前の江戸時代にも大地震の記録があり、新町三丁目の旧伴家住宅は文政2(1819)年の地震で大破しています。現在の建物は、地震後に建て替えられたもので、複雑に柱や梁(はり)を組み合わせた「地震の間」(通常非公開)が伝えられています。
台風、大雨については記憶に新しいところで、令和4年7月19日に起こった短期間豪雨や、平成25年9月の台風18号などがありました。それ以前には、昭和34年9月25日から28日にかけての伊勢湾台風や、昭和36年9月14日から16日にかけての第2室戸台風があり、風や雨により大被害をもたらした災害として知られています。
今回は、そんな自然災害を記録した最も古い写真の中から、明治29(1896)年9月3日から12日の間に起こった琵琶湖洪水の写真を紹介します。琵琶湖洪水は10日間降り続いた雨により琵琶湖の水位が3・76m高くなり、現在の近江八幡市域を始め、琵琶湖沿岸部において大規模な浸水や土砂災害の被害をもたらしました。写真1枚目はその水害時の八幡尋常高等小学校の様子です。これは現在の旧伴家住宅で、写真はその西側から撮影されたものになります。大人の膝上まで水が浸かっていることから、被害の大きさが伝わります。写真2枚目は日野川付近にある江頭町(当時は野洲郡北里村江頭)の様子になります。建物1階部分がほぼ浸水したために、軒から舟で移動しているもので、災害の大きさが感じられるものです。記録ではこの浸水の日数は237日に及んだということです。
過去の自然災害の歴史を写真とともに振り返りました。災害についての備えの意識を持つことで、未来に少しでもいかしていければと思います。

※写真は本紙をご覧ください
1.琵琶湖洪水時の八幡尋常高等小学校(八幡小学校蔵)
2.琵琶湖洪水時の江頭町地先(県立琵琶湖博物館蔵)

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