■発達性協調運動症(DCD)を知っていますか?
発達障がいの一つに、発達性協調運動症(DCD…Developmental Coordination Disorder)があります。DCDは大きな病気やけがなどが無いにもかかわらず、運動の不器用さが極めて大きい障がいのことです。5~11歳の子どもの5~6%に見られ、そのうち50~70%で青年期になっても特徴が残っているとされています。運動というと、体育やスポーツを思い浮かべるかもしれませんが、ここでいう運動には日常生活の動作も含まれています。例えば、お箸や鉛筆を使ったり、自転車に乗ったりすることも運動です。これらの運動は、身体のいくつもの部分をつなげて動かすため、協調運動と呼ばれています。
DCDの子どもが苦手としている協調運動は大きく3つに分けられます。
1つ目は手や指を使う運動で、お箸や鉛筆を使ったり、洋服のボタンを留めたり、靴紐を結ぶなどです。
2つ目は身体全身を使う運動で、ジャンプをしたり、ケンケンをしたりするなどです。
3つ目は目の動きと手の動きを合わせる運動で、ものを指さしながら数えたり、キャッチボールをしたりする動きなどです。
これらの運動が、一般的にその年齢ならできると思われることでも大きな苦手さがあり、苦手さが学校や日常生活において大きな問題となっている場合、DCDの可能性が考えられます。
DCDの特性は周囲からはわかりにくいです。その結果、叱責や過剰な反復練習などの不適切な対応になってしまうことが少なくありません。また、失敗経験を多くしやすいため、自尊心が低くなりやすいです。うまくできないことに本人自身が一番もどかしさを感じているのです。
DCDの人は30人クラスでいうと1~2人いると考えられ、皆さんの身近にもいるのではないでしょうか。まずは、そのような困りごとがある人がいることを知り、受け入れられる社会を作っていけるとよいですね。
参考文献:『DCD支援マニュアル』(厚生労働省ホームページ)
問合せ:発達支援センター
【電話】587-0033【FAX】587-2004
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