令和2年7月豪雨からまもなく4年。これから梅雨などで降水量が増え、川の増水が起こりやすい時季になります。自分や大切な人の命を守るため、災害が起こる前にどんな準備が必要か、改めて確認しましょう。
災害から命を守るために必要な心構えとは。防災士の資格を持ち、日ごろから地域の防災力を高める活動を行う白石さんに話を聞きました。
■上新町町内会長・防災士 白石 忠志 さん
災害から命を守るには、まず自分が住んでいる地域の地形を調べ、そこでどんな災害が起こる可能性があるかを知ることが必要です。自宅付近のリスクを把握したら、家族全員で話し合ってください。避難所はどこか、避難所までどの道を通るのか、何をどれくらい備えておくか。災害が発生してから、こういった判断や準備をするのは難しいものです。
過去の水害で被害があった地域では、地域でそのことを語り継いでいくことも重要です。そういう世代を超えたコミュニケーションや近所付き合いは、災害時に命を救う大きな力にもなります。自身の備えだけでなく、日頃から地域のつながりも大切にしたいですね。
■自分が住む地域を知る
避難について考えるときに、まずは自宅付近の災害リスクを知ることが重要です。危険箇所や避難経路をあらかじめ確認しておきましょう。
◇自宅付近の災害リスクを確認
自宅のある場所が川沿いなら水害、山のふもとなら土砂崩れなど、住んでいる場所で災害の危険性は変わってきます。各家庭に配布している市の「総合防災マップ」や、土砂災害が発生する可能性のある地域を示した「熊本県土砂災害情報マップ」※で自宅周辺の災害リスクを確認してください。
自宅付近に災害リスクがある場合、事前に避難先と避難経路を「どこへ、どうやって避難するか」を家族で話し合ってみましょう。
※土砂災害警戒区域は令和6年に新たに指定された地域もありますので、県土砂災害情報マップでご確認ください。
◇防災マップ(ハザードマップ)の使い方
(1)自宅の場所を確認
(2)自宅周辺に色が付いていないか、線が引かれていないか確認
(3)色や線がある場合は災害リスクを確認
(4)災害リスクに応じて避難先を確認
(5)避難先に移動する経路を確認
・防災士CHECK!
避難経路はできるだけ色が薄い部分を通るように。経路を決めたら、昼と夜に実際に歩いてみましょう
問合せ:市防災課防災係
【電話】22-2111(内線3242)
■なぜ人吉球磨は水害が多いのか?
令和2年7月豪雨で甚大な被害を受けた球磨川流域では、自然環境との共生を図りながら流域全体の総合力で安全・安心を実現する「緑の流域治水」に取り組んでいます。
この取り組みを広く知ってもらうために制作した動画では、球磨川流域の地形の特徴や洪水発生のメカニズムが分かりやすく紹介されています。児童生徒向けの動画もあります。
問合せ:県球磨川流域復興局
【電話】096-333-2609
■豪雨災害時の浸水深をまちなかで体感
洪水時の避難の目安となるよう、地域全体をハザードマップと見立て、生活空間であるまちなかに令和2年7月豪雨時の洪水の浸水深を表示しています。令和5年度は市内19カ所に設置しました。
問合せ:八代河川国道事務所流域治水課
【電話】0965-32-4135
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