市地域防災官による災害への防災意識や命を守る方法のお話を紹介します。
■怖い7月の大雨に警戒
市地域防災官 深江 政友
7月に入り大雨に最も警戒しなければならない時季を迎えました。自然災害と聞くとまず地震を思い浮かべますが、日本に大きな被害をもたらしている自然災害は水害であることを忘れないでください。その理由は、日本の国土の7割は山であり、降雨量は世界平均の2倍あるからです。
7月に発生した主な豪雨災害を振り返ると、平成15年7月20日の水俣土石流災害(犠牲者23人)をはじめ、平成24年・29年の九州北部豪雨(犠牲者合計74人)、平成30年の西日本豪雨(犠牲者232人)、そして令和2年7月豪雨(犠牲者69人)と、7月に発生した豪雨災害で多くの大切な命が奪われています。
梅雨の雨は、6月は全般的に雨が降り、7月に入ると局地的な大雨を降らせるのが特徴です。その理由は梅雨明け間近になると、太平洋高気圧の影響で梅雨前線が北上し、日本の本州付近に停滞します。特に太平洋高気圧の縁となる西日本では、暖かく湿った空気が流れ込みやすくなり、梅雨前線が活発化するため局地的な豪雨の要因となる線状降水帯が発生しやすくなるためです。
このような仕組みで私たちが住む日本は豪雨になりやすいことを前提に、気象情報や避難情報に素早く対応できる準備を整え、浸水や土砂崩落が予測されるときは迷いなく行動できる心構えで怖い7月の大雨を乗り越えましょう。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>