■上庄にホタル舞う
5月18〜25日、竹迫城跡公園周辺で上庄魅力化推進委員会が上庄ホタル祭りを開催しました。
祭りには毎年多くの人が訪れ、ホタルの幻想的な光に見入っています。
この風景は自然のままではなく、有志の活動によって保全されていることをご存じですか。
ホタルの育成から祭りの開催まで、委員会の一年間の取り組みを紹介します。
■ホタルと環境を育む
◇ゲンジボタルの育成
委員会のメンバーは5月下旬に成虫を捕獲します。捕獲した成虫は、水槽内に設置したガーゼに産卵します。湿度や温度管理に気を配りながら約1カ月経つと、ふ化した幼虫が水槽内に落ちます。このとき幼虫の体長は約2mmです。
◇エサも育てる
幼虫はカワニナという巻貝をエサにして成長します。幼虫が小さいうちはエサも小さいものが必要で、カワニナの捕獲や育成も同時に行ないます。
◇生育環境を整える
8月、地元の子ども会と一緒に、水質改善や土壌改良に役立つ栄養満点の泥団子を作ります。泥団子はしばらく寝かせたあと、川に投げ入れます。
◇放流と成長
9月下旬、体長1〜2cmほどに成長した幼虫とカワニナを、地元の子ども会や小学生と東谷川などに放流します。
泥団子から広がった微生物のおかげで土がふかふかになると、ホタルは土の中でサナギになります。
また、成虫となったホタルは水だけを飲んで生きています。
■みんなで作る祭り
上庄ホタル祭りでは手作りのイルミネーションも見どころのひとつとなっています。5月18日の午前中、委員会のメンバーが地元のボランティアや小学生などと一緒に、飾り付けを行ないました。
日没後にイルミネーションが点灯されると、色とりどりの明かりや飾り文字が上庄堤を彩り、祭りに華を添えました。
合志小4年生が飾り付けを手伝いました
◇ホタルのことを学んで
合志小5年
齋藤唯花(さいとうゆいか)さん
合志小では4年生でホタルの生態や環境問題について学びます。ホタルが何を食べるかなどを昨年初めて知り、虫は苦手だけどホタルはかわいいと感じました。ホタルや生き物を守るために、ごみをポイ捨てしないことと、落ちていたら拾うことを心がけています。
◇ふるさと上庄を誇りに
上庄魅力化推進委員会
会長 緒方明(おがたあきら)さん
ふるさとの川にホタルが復活することを夢見て、ホタルの飼育や環境保全に取り組んできました。子ども会や小学校とも協力し、こどもたちの学びや郷土愛の醸成にもつながる活動に発展しています。ホタルをきっかけに水・空気・緑といった地域の環境が守られ、次世代に引き継いでいけるよう、これからも活動を続けていきます。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>