全国的に人口減少や少子高齢化が進む中、原則60歳以上の高齢者の就業の場として重要な役割を持つシルバー人材センター。
自分の健康のため、生きがいづくりのために宇土市シルバー人材センターで活動してみませんか。
現役でいきいきと自分らしく働く会員とその利用者にお話を伺いました。
■仲間と一緒だから頑張れる
宇土市シルバー人材センター会員
本紙写真左)江口 靖夫(やすお)さん(78)=古城町=
本紙写真右)芥川 穂積(ほずみ)さん(80)=走潟町=
秋晴れの風が涼しい15時ごろ、走潟町の河川敷で夏の間に高く伸びた草の除草作業を行う芥川さんと江口さんの姿があった。刈り切った草を素早い動作でトラックに積む2人はシルバー人材センターで会員として働いている。
芥川さんは、「私はもともと運動が好きで、体力に自信があります。今もほとんど毎日仕事してるので、立ったりしゃがんだりは全然苦にならんとですよ。」と話す。仕事終わりには運動公園を3周するのが日課になっているという。
明るくパワーみなぎる芥川さんだが、1年前に妻を亡くしてからしばらくは、家に一人で塞ぎ込んでいたという。そんなとき、元同僚の江口さんから誘いを受け、シルバー人材センターの仕事に打ち込むようになった。「始めは不安もありましたけど、江口さんや仲間たちに支えられ、楽しく作業しとります。仲間は何かしらを引退した経験豊富なスペシャリスト。仕事に来て、一緒に話すだけでも面白く、勉強になります。」と芥川さんは話す。芥川さんを誘った江口さんは、以前勤めていた会社を75歳で退職し、退職後にシルバー人材センターで働き始めた。「仲間は多いほうがいいですから、知り合いみんなを誘いました。家で一人でいるよりもここで仕事するほうが心も体も元気になるからですね。」と笑顔で話す。
「まだまだ現役で頑張ります。」と意気込む芥川さん。「仲間と一緒だから頑張れます。これからも仕事ができることに感謝し、ともに健康でいたいと思います。」そう笑顔で話す2人の姿は輝いて見えた。
■前職の経験を生かし心で寄り添う
宇土市シルバー人材センター利用者
本紙写真左)水間 チズ子さん(86)=長浜町=
宇土市シルバー人材センター会員
本紙写真右)門内 すみ子さん(72)=岩古曽町=
「この仕事は私に向いていると思います。」そう話すのは、シルバー人材センターで生活援助従事者として働いている門内さんだ。門内さんは、社会福祉協議会でヘルパーとして働いていた経験を活かして、訪問介護で掃除、洗濯、買い物代行などを行っている。
宇土市のシルバー人材センターで生活援助従事者として働いているのは門内さんのみ。利用者の水間さんは、「門内さんのように、身の回りのことを気軽にお願いできるような人が増えるとありがたいですよね。」と話す。言わなくても細かいところまで気づいてくれる門内さんは、水間さんにとって妹のような存在だという。
おととし、水間さんは病気で入院し、自分はもう終わりと表現するほど弱っていた。それが今では医者から奇跡といわれる程元気に回復している。「門内さんを始め、多くの人に支えられ、ここまで回復することができました。今が最高に幸せだと感じています。」と水間さんはほほ笑む。門内さんは、「水間さんのように、利用者さんが幸せと感じてくださることが私の中のちっぽけな自己満足です。」と話す。先月は門内さんが訪問すると意識不明の状態で倒れていた利用者さんもいたという。「私が行かないと、命を落とされていたかもしれない。そう考えるとこれからも続けていかなければという使命感があります。」
担当している皆さんに最後まで寄り添いたいと考えながら接しているという門内さん。「良い人生だったと一言でも言ってもらえるように、これからも頑張っていきます。」利用者に心で寄り添う門内さんの笑顔は、周りを温かく照らすだろう。
■宇土市シルバー人材センター
住所:築籠町183番地
ホームページをリニューアルしました。働きたい人や依頼したい人は、本紙下記QRをご覧ください。
問い合わせ:【電話】22-3780
■会員の募集、仕事の依頼を随時受け付けています
○働きたい人
対象:市内に居住する原則60歳以上の健康で働く意欲のある人
※会費2,000円が発生します。
○依頼したい人
インターネット、電話、来訪による申し込みを受け付けています。
■選べる多様な仕事内容
記載している仕事は一部です。
・除草、草刈り、屋外清掃
・農作業(種まき、収穫など)
・庭木などの剪定
・障子、ふすま、網戸の張替
・筆耕、宛名書き、パソコン入力
・家事サービス(掃除、洗濯など)
・福祉サービス(身の回りの世話、生活援助など)
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