先月は、糖尿病治療食についてお伝えしました。糖尿病の治療の基本は食事と運動です!今回は、運動面についてお伝えします。
運動は、「有酸素運動」と「無酸素運動」の2つに分かれます。有酸素運動には、歩行やランニングに水泳、エアロバイクなどが含まれ、酸素を使って体内の糖質・脂質をエネルギー源とする筋肉への負荷が比較的小さい運動のことを言います。無酸素運動とは、運動強度が大きく強い負荷がかかる運動のことを指します。筋トレや短距離走などが例として挙げられます。有酸素運動は運動開始から約20分経過すると、エネルギー源が糖質から脂質へと切り替わります。そのため、体脂肪を減らすことを目的とする場合、運動は20分以上継続することが重要です。しかし、運動と聞くと、道具が必要だったりお金がかかったり、ハードルが高いと思います。そこで、今月は「身体活動」についてもお伝えします。
■運動・身体活動でどのくらいのエネルギーを消費できる?
身体活動とは、歩行や階段昇降、草むしり等、生活の中でできる活動です。では、運動でどのくらいのエネルギーを消費することができるのでしょうか。運動や身体活動で消費するエネルギー量は、体重や筋肉量により異なります。下の表は参考値です。
*運動で消費するエネルギー量
*趣味で消費するエネルギー量
*身体活動で消費するエネルギー量
スポーツなどの運動が難しい場合は、普段の家事や、歩く時間を長くする、エレベーターではなく階段を使ったりするだけでも消費エネルギー量は増えていきます。無理なくできるところから、身体を動かすことを意識していきましょう。基礎代謝量を上げることも大切です。基礎代謝という言葉を聞いたことがありますか?基礎代謝とは、体温維持や生きるために必要なエネルギー量で、起きている状態で横になっていても勝手に消費されるエネルギーです。このエネルギー量は筋肉によって増やすことができます。基礎代謝が上がると、いつも通り食事を食べても、消費するエネルギーが多いため、痩せやすくなります。一方、体脂肪が多い人(体脂肪率25%以上)や筋肉が少ない人は、基礎代謝量が落ちていますので、痩せにくい状態です。どのくらい差があるのか…例を挙げてみました。
例)年齢、体重が同じ(60歳・60kg)の女性で、体脂肪率が違う2人の基礎代謝量
○Aさん
60歳女性
体重60kg
体脂肪率30%
1,062kcal
○Bさん
60歳女性
体重60kg
体脂肪率25%
1,302kcal
約240kcalつまりコンビニおにぎり1個と半分ほどの消費量に差があります。いかに、体脂肪を落とすことや筋肉量が増えることが重要か分かりますね。
今月号は、運動についてお伝えしました。痩せやすい身体づくりのためには、筋肉が増えるような食事と運動、脂肪を減らすことが重要です。来月は、糖尿病治療の第2弾、「服薬治療」についてお伝えします。
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