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自治体の皆さまへ

シリーズ私たちと人権100

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熊本県宇土市

■災害時にこそ守られるべき人権
2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震、2020年7月本県での豪雨による災害、そして今年の元旦に発生した能登半島地震など、近年相次いで発生し、甚大な被害をもたらした災害は、多くの人の命と日常生活を根こそぎ奪い取りました。
被災した人々は、その後の避難生活においても多くの困難に直面することになります。なかでも、妊産婦、子ども、高齢者、障がいのある人、病人や怪我人、言葉の壁がある外国人などの特別な配慮や支援を必要とする人々の場合、その困難はより大きなものになります。
また、平時では意識しなければ見えにくい様々な人権問題は、災害という非常事態において、家庭や避難所等で目に見える形で現れ、私たちに多くの課題を突き付けました。
例えば、熊本地震についてのアンケートでは、家庭や避難所生活・運営において、女性の負担(子育てや看護、介護など)がますます重くなったという結果がでました。このことは、災害時に、男女間の格差や性別役割分業意識が平時に比べてより強く表れることを裏付けています。
災害時という非常事態の中では、誰しも自分のことで精一杯で、強いストレスにさらされており、他人を思いやる余裕がなくなってしまいます。更に、「みんな我慢している」「わがままは言えない」という同調圧力も働きます。それゆえ平時よりも人権侵害が起こりやすくなり、配慮を必要とする人々が声をあげるのが困難になります。
同じ地域に暮らす住民同士が、災害という非常事態の中で助け合い、お互いの命を守り、お互いの人権を尊重して生きていくためには、普段から人と人のつながりを築いておくことが重要です。
また、「男は仕事、女は家事」といった性別役割分業意識にとらわれず、様々な意思決定の場面に女性の参画を促し、多様な視点に立って防災・復興に取り組むことが必要です。
災害時であっても人権が守られる社会を目指して、日頃から人とのつながりを大切にし、人権意識を高めていきましょう。

参考資料:「熊本地震と育児中の女性へのアンケート」(熊本市男女共同センターはあもにい)、「震災と人権「基本的人権」に立ち返ることが被災者支援への第一歩」((公財)東京都人権啓発センター)

・必要な支援や情報が行き届かない
・子育て家庭に対する配慮の欠如
・高齢者や障がいのある人への配慮の欠如
・女性への暴力、性的嫌がらせ
・ストレスによる児童虐待
・避難所でのプライバシーが守られない
・デマ・風評による差別的言動、嫌がらせ

問合せ:生涯活動推進課 生涯学習係
【電話】22-6510

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