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シリーズ私たちと人権96

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熊本県宇土市

■インターネットと人権
令和5年度版情報通信白書(総務省)によると、個人のインターネット利用率は、2022年(令和4年)では84.9%となっており、端末別では「スマートフォン」が71.2%と、「パソコン」の48.5%を上回っています。インターネットの発展により、私たちは短時間で簡単に様々な情報を得ることができるようになりました。また、かつてはマスメディアなど一部の人たちにしかできなかった情報発信が、子どもたちを含め、あらゆる人が様々なアプリやSNSを利用して自由に発信できるようになりました。
◇インターネット利用の光と影
もはや日常生活を送るうえで手放せないものとなったインターネットですが、その利用については、不安を感じている人も多いようです。通信利用動向調査(総務省)では、「個人情報やインターネット利用履歴の漏洩」に多くの人が不安を感じていると回答しています。インターネット利用については、すぐれた利便性という光の面に対して、深刻な人権侵害が生じやすいという影の面が存在することを忘れてはいけません。
人権侵害の内容は、個人に対する誹謗中傷、名誉やプライバシーの侵害、子どもが加害者や被害者として巻き込まれるSNSなどにおけるネットいじめ、ヘイトスピーチ(特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動)、部落差別(同和問題)に関して、特定の地域を同和地区であると指摘するような投稿などがあり、時には命に関わるほどの深刻な事態に繋がることもあります。また、こうした問題は、身近なところで起こっているのです。

◇なぜ起こる?インターネット上の人権侵害
インターネット上で人権侵害の問題が生じやすいのには訳があります。
まず、「匿名」で意見を書き込んだり、動画などを投稿できること。対面や実名では言えないようなことも、自分が書き込んだとはばれないだろうという気持ちから、安易に投稿してしまうことがあります。(実際には投稿の発信者は特定できます。)
次に、意見の表出が「一方的」であること。対面での会話と違ってインターネットでは、お互いの感情を読み取ることが難しく、誤解や感情の行き違いが起こりやすくなります。
さらに、「正義感」が高じて、過激な投稿で個人攻撃をするケースがあること。事実かどうかに関わらず、他の人の人格を否定したり攻撃したりすることで、自分がよいことをしていると錯覚する行為は、決して正義ではありません。
そして、「想像力の欠如」と「人権意識の希薄さ」も人権侵害行為を引き起こす大きな要因です。情報を受け取った人がどんな思いをするかという想像力が足りないまま投稿することや、人権意識の希薄化から生じる悪ふざけなどの不適切動画の公開などは、受け取った人の命を脅かすことさえあると認識することが必要です。

◇インターネット上で人権を大切にするために
インターネット上でのやり取りであっても、画面の向こう側には感情をもった人がいるということを忘れないでいましょう。また、人権侵害が生じやすいという、インターネットやSNSの特性に対する理解と情報を見極める力を、学校や家庭をはじめとする、あらゆる場で育んでいくことが求められています。

インターネットによる人権侵害に関して起きていると思う人権問題(複数回答)

(掲載グラフは2022年8~9月宇土市人権に関する市民意識調査より抜粋。n=877:調査回答数877票をもとに割合を算出しています。)
参考資料:令和5年度版情報通信白書(総務省)、人権教育リーフレット「情報化社会における子どもの人権(大阪府教育センター)、法務省ホームページ

問合せ:生涯活動推進課 生涯学習係
【電話】22-6510

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