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自治体の皆さまへ

特集 空き家の未来予想図(2)

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熊本県宇城市

■空き家を解体する
before…瓦が今にも落ちそうな状態。通学路に面しているため色の付いたロープで近付かないよう注意を促していた
after…子どもの代まで残さないという選択

◇一人で悩まず相談を
9月に空き家を解体したTさん。解体のきっかけは、市が小川町で開催した空き家相談会でした。親族が亡くなり空き家となった家をどうしようかと悩んでいたときに、市に勧められ参加することに。相談員である司法書士から今の空き家の権利が自分に相続されていること、これからどう対処すればいいのかを教わったと言います。
「当時の私は、建物が崩れて人にけがをさせてしまうのではないか、近所に迷惑が掛かるのではないかと不安でした。解体が終わると心の荷物が一つ減って安心しました。子どもに自分の親の代の負の遺産を相続させないように、自分たちの代で決着をつける。それを一番に考えて行動しました。」と振り返ります。
金銭的にも不安だったTさん。市の補助金を使って解体を行いました。「専門家と直接話せる機会はそうないので、あの時、相談会に参加して本当に良かった。空き家を今後どうすればいいか悩んでいる人は、市に相談することをお勧めします。何か現状が変わるかもしれません。」

◇解体補助の実績

◇老朽危険空き家除却補助金
上限50万円
危険家屋の解体に使える補助金。事前調査(不良度判定)の申し込みが必要。
対象:事前調査の結果で必要性が認められた空き家
対象経費:解体・除却費用、廃材などの処分費用など
補助率:5分の2(上限額50万円)
詳しくはこちら
※二次元コードは本誌またはPDF版をご覧下さい。

■資産として使う
自分が住んでみたくなるような物件に

◇個人で賃貸経営へ
三角町の空き家を購入して改修、賃貸経営を行う宇土市の本田さん。
「物件のポイントは元々、別々だった和室と洋室の2部屋を1部屋にし、空間を広くしたところ。改修時は、実際に自分が住んでみたい、借り手にも入って良かったと思ってもらえるよう快適さを重視した家造りを意識しました。」と言います。
個人で賃貸を経営しようと考えたのは資産形成のため。三角町の空き家に決めたのは、海が近く、仕事を退職した釣り好きの人がスローライフを送れそうな場所だから、とのこと。
今は個人で戸建てやアパート賃貸の経営をする人も少なくありません。ただ、実際に始めると、思った以上に予算がかかってしまうことがほとんど。
本田さんにリフォーム工事の費用を抑える3つのコツを教えてもらいました。
▪数社から見積書をとって比較
▪予算内に収まるよう、価格を交渉
▪DIYやリサイクルショップをうまく活用するなど、できることは自分でする

また、業者とコミュニケーションをとっておくと良いアドバイスをもらえて費用を抑えられることもあると言います。「時には大工さんと一緒に作業することもありました。」と本田さん。
トイレはウォシュレットに、洗面所やキッチンも一新しました。住む人の快適さを考えたこだわりの造りで入居者もすぐに決まったそうです。

■空き家に住む
神奈川県から戸馳島へ―人柄に惚(ほ)れ、移り住む

◇戸馳の空き家に住む
仕事を退職し、5月に神奈川県から三角町の戸馳島に移住した佐藤さん。三角町から天草付近で物件を探していました。物件を決めたポイントは立地。波多浦駅から自宅まで歩いて20分と近い距離にあること、水害・土砂崩れなどの災害の心配が少ないこと、天草付近よりも電車や車などを使用しての熊本市内へのアクセスが良いことが佐藤さんの条件に合っていたと言います。
そして何より戸馳島の人たちの人柄に惚れて移住を決意しました。「うれしいことに、朝からランニングをしていると島の皆さんがあいさつしてくれるんです。お年寄りから子どもまで関係なく僕に話し掛けてくれます。ゴミの分別の仕方などで分からないことは近所の人が親切に教えてくれますし、住んでみて改めて戸馳島の良さを実感しています。」
また、50坪程の広大な農地や物件の日当たりと風通しの良さもお気に入り。隣近所が少し離れているので周囲にあまり気を遣わなくて良かったり、ゴミ捨て場が近いのも住みやすいと話します。

◇自身が思う空き家の魅力
「この空き家の良いところは自分の好きなように手を加えられるところ。」と話す佐藤さんは、市の補助金を使って空き家を改修。風呂やキッチンは一新し、和室は洋室に変更しました。
「前から自分の畑が欲しかったので農地が付いていてうれしいです。今後は畑をきれいにして野菜や果物などいろいろ植えて育ててみたい。家も壁に漆喰(しっくい)を塗ったり、押し入れにベニヤを張ったりと、やりたいことがたくさんあります。」とこれからの計画は盛りだくさんです。

問合せ:地域振興課
【電話】32-1906

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