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みんなで学ぼうじんけん

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熊本県宇城市

本田博通(ひろみち)地域人権教育指導員が学校で働いていた経験などから「じんけん」の今をお伝えします

■はたらきたい
会議が終わると一緒に出ていたYさんがフロアで待っていました。「採用試験を受けたんです。だけど時間が足りなくて…」。車いすを利用し、青のセダンに乗る彼の就職活動のお話です。
20代のときに事故で車いすを利用するようになったYさんは、私の勤務校に授業支援ボランティアとして来ていました。事故以来、離職していましたが、地域の役員を受けたことから、再び働いて勉強したいと考えました。
ハローワークで障害者雇用求人に申し込み、事前に試験時の配慮を願い出ます。「指にマヒがあって、計算用紙が必要なので持参しても良いですか」「当日はHB鉛筆使用となっていますが、指に力が入らないので、計算するときだけ問題用紙にボールペンを使っていいですか」一つ目はだめで、二つ目はOK。そして試験当日でした。
「HB鉛筆なのでマークシートを塗りつぶす作業が自分にはきつくて時間を取られました。作文も手のマヒでHBでは難しいと判断して指定の半分ほどの字数で書きました。採用にはなりませんでした。」と残念そうに笑います。「同じ車いすであっても、人によって不自由さはそれぞれ違うので配慮が欲しかった。」と言います。
「障害者である労働者は自ら進んで職業人として自立するように努めなければならない」(障害者雇用促進法4条)。それを実現するために「雇用機会の確保と必要な合理的配慮」が雇用主には求められています。私は彼の同意を取り、その思いを事業主に伝えました。後日、担当の方が出向いて来られました。厚生労働省の障害者雇用手引きを読み直され、採用時の配慮も考えた雇用枠を新年度複数増設したいとのことでした。事業者の方には誠実な対応をしていただきました。「声を上げて良かったね。」とYさんに伝えました。再チャレンジが始まります。

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