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みんなで学ぼうじんけん

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熊本県宇城市

本田博通(ひろみち)地域人権教育指導員が学校で働いていた経験などから「じんけん」の今をお伝えします

■核兵器禁止条約参加を求める意見書〜市議会で採択〜
教室に来ていただいたのは、担任する子ども(小3)のおじいちゃん、丸山新一さんです。
太平洋戦争末期、軍艦製造のため、長崎の三菱造船所に徴用されました。朝5時に寮から6キロを歩いて通い、深夜に帰宅する毎日。休みは1日もありません。21歳の4年目の夏でした。新一さんは父の葬儀のため大矢野町の実家に帰りますが、復帰に遅れてしまいます。

「新一さんは3日の休かをとってかえりました。でも4日たってかえったから、しゅけいしつという所によばれました。そしておくれた理由を聞かれて、死ぬほどなぐられました。そのとき、原子ばくだんが落ちました。8月9日午前11時2分です。わたしは、そこで初めて聞いたことが二つあります。一つは一このばくだんで、たくさんの家がもえたことです。二つめは海がもえたことです。」
―子どもの作文―

きのこ雲の下、暗闇に包まれた主刑室から新一さんは防空壕に逃げ込みます。海をも焦がす、未曾有(みぞう)の熾烈(しれつ)な爆炎。熱線の直撃は免れましたが、放射能を帯びた煙はその後長く新一さんを苦しめました。
35年前の被爆講話です。当時は被爆体験、戦争体験を子どもたちに語っていただける方が身近におられました。

「戦争の惨害から将来の世代を救う」ための国際機構、国連は2021年に核兵器禁止条約を発効させました。しかし唯一の戦争被爆国、日本は参加していません。その日本政府の参加を求める意見書が宇城市議会(昨年12月)で採択されました。
県内では上天草市、菊池市、玉名市、小国町、長洲町、錦町、苓北町に続いて8番目になります。

「いまこそ広島、長崎の原爆被害を体験した日本の政府は、核兵器の使用を許さず、核兵器を全面的に禁止させる先頭に立たねばなりません。その証として、核兵器禁止条約に参加、調印、批准することを強く求めます。」意見書の結びです。

生涯学習課
【電話】32-1934

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