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みんなで学ぼうじんけん

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熊本県宇城市

本田博通(ひろみち)地域人権教育指導員が学校で働いていた経験などから「じんけん」の今をお伝えします

■教室の中のインフォームドコンセント
5年生の教室。ヒロくんと転げ回って遊んでいた男の子がやって来て、「ねぇ先生。ヒロちゃん、しょうがい者ね?」と言う。私が何故そんなことを尋ねるのかと逆に問うと、ちがうとだろ?」とまた聞く。すると、そばにいた友達が、「М先生がダウン症て言いよらしたばい」と代わりに答えた。私は子どもたちが「障害者」という言葉を使った場面に初めて出会った。
進級したヒロくんは泣くことが多かった。動かなくなって連れて来られては泣き、勝手に拝借した友達の物を取り上げられては泣いた。

ヒロくんと作文を書いたこと
きょうこ
ヒロくんの机に、『おおきなかぶ』の本があった私は「いっしょに読もうか?」と言ってページを開いた。短い文はヒロくん一人で読んだ。全部読み終わって、もう一度読んだ。そのあと、ヒロくんに、「作文書こうか?」と聞くと、ヒロくんは、「うん」と言ったから、先生の作文用紙をもらって書いた。わすれてわからない字があると、えんぴつは止まるけど、教えてあげると、「こーね、こーね」と言ってまた書く。とってもおもしろそうに書きます。

座り込んだ時のヒロくんは手ごわいが、子どもたちの対応は多様だった。引っ張り上げ強引に連れていく子、声はかけるがすぐあきらめてしまう子…。ただ彼女の接し方でヒロくんが泣き出すことはなかった。彼女はヒロくんにすることを伝え、OKするのを待つことができた。
インフォームドコンセントという医学用語がある。「ケアする立場とされる立場にはギャップがあり、ケアする立場は次第に横柄になっていく。情報提供と同意は対等な立場をつくろうとするもの」だそう。そんな言葉は知らないだろうが、子どもたちの世界には当たり前に表れる。
通常学級から籍が消えていく子どもたちが増え続けている。でもね、共生社会の実現には子ども時代の学び合いが欠かせないと子どもたちが教えてくれるのです。

問合せ:生涯学習課
【電話】32-1934

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