■高齢者の人権/高齢者が安心して暮らせるように
▽高齢者は、今…
現在の日本は、世界一の平均寿命を誇る長寿大国と言われています。多くの人が豊富な知識や経験、技術を持ち、健康的で活力にあふれた生活をしています。ところが一方で、心や体が弱り、悲しみや苦しみも増してきます。報道などでは、高齢者の人権が侵されるような事例をよく見聞きします。高齢者に対する虐待や介護放棄、財産はく奪、悪徳商法、振り込め詐欺などといった事件が後を絶ちません。
▽原因は?
超高齢社会を迎える中、高齢者を一括(ひとくく)りにした偏見・固定観念・年齢制限などでの就業機会の不足や、年齢を重ねることによる高齢者自身の身体的・精神的変化などで、高齢者の経済的な自立や社会参画が困難となってきたことなどが考えられます。
▽住み慣れた地域で安心して暮らすには?
(1)高齢者が果たしてきた社会的役割の重要さや加齢に伴う肉体的・精神的衰え、不安などを正しく理解し、年齢で決めつけることなく一人一人の多様性を認め合い、すべての人が健康状態や年齢に関わらず社会を構成する一員として尊重しましょう。
(2)高齢者が誇りを持ち、今持っている能力を発揮して、社会の中で安心して暮らし続けることができるように、みんなが思いやりの心を持ち、互いを支え合える地域づくりを進めていきましょう。
(3)高齢者を邪魔者扱いしたり、存在を軽んじたり、気持ちや思いを無視したり、勝手に判断したり、行動を制限したりせず、高齢者の尊厳を守りましょう。
地域人権教育指導員 窪田龍記(たつき)
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