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(対談)松山市 野志市長×大西市長

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熊本県熊本市

松山市と熊本市は、お城があり、夏目漱石の赴任地やスペシャルドラマ『坂の上の雲』のロケ地などのつながりもあり、えひめ・まつやま産業まつりへの出展や松山市が設置する俳都松山俳句ポストの入選者に賞を贈るなど観光・文化の分野で交流しています。また、平成24年に「災害時における相互応援に関する協定」を締結し、災害対応で相互支援をしています。このたび、大西市長が松山市を訪れ、松山市職員向けに防災に関する講話を行うとともに、市長対談を行いました。

・熊本市長 大西 一史
主な役歴:全国市長会 防災対策特別委員会委員長

・松山市長 野志 克仁
主な役歴:中核市市長会 副会長

◆市政運営で大切にしていることは
(野志)まちづくりを進める上で、主役は市民の皆さんと考え、市政運営では「現地・現場」と「市民目線」を大切にしています。
市長就任当初からタウンミーティングを139回実施し、市民の声に耳を傾けながら、知恵と工夫で乗り越え、活力あるまちづくりを進めています。
(大西)私も同じで、まちづくりの原点は、「地域」、そして、そこに暮らす「市民」であると考えています。
私も市長就任時より、市民と直接対話する機会を重ね、より良い市政を目指し取り組んでいますが、引き続き、職員が積極的に地域に飛び込み、市民の皆さんとともに魅力あふれるまちづくりを進めていきたいと考えています。

◆観光振興策は
(野志)松山市では、松山空港を発着する国際定期路線で、ソウル線と台北線が運航を再開し釜山線が新規就航して、3路線とも増便されるなど、多くの外国人旅行者が訪れています。
7月までの訪日外国人が過去最速で2千万人を超えるなど、今後も外国人旅行者の増加が見込まれますので、地方に呼び込むため、点ではなく面で考えていく必要があります。
そこで、熊本市を含む西日本・九州の自治体などが、魅力の発信やプロモーションに一体で取り組む「西のゴールデンルートアライアンス」により西日本へ誘客を促す中で、松山市の認知度を高めるとともに、松山観光コンベンション協会などと新しく設立した「松山国際観光客誘致推進協議会」で、外国人旅行者が多く訪問する広島や関西圏からさらに誘客を進めていきます。
(大西)熊本市においては、令和5年の外国人宿泊者数は、台湾を中心としたアジアからの旅行者の増加などで43万4千人と過去最高を記録し、直近も昨年を上回る状況で推移していますが、全国的に外国人旅行者の多くは三大都市圏に集中している状況です。
そこで、本市も「西のゴールデンルートアライアンス」に参画し、インバウンドの誘客を推進しています。
「熊本城」や「松山城」をはじめ各地に点在する城郭など、親和性のある地域やコンテンツをストーリーで結びつけ、魅力を向上させるとともに、西日本・九州の各都市などと連携し、スケールメリットを生かした新たな広域周遊ルートを提案することにより、認知獲得や来訪の促進に取り組んでいきます。

◆防災対策は
(野志)ご多忙の中、松山市の防災力向上に向け、大西市長自ら講話いただき、感謝申し上げます。
熊本地震などの大規模災害時に多くの応援職員が培った経験や教訓を生かしながら、安全・安心なまちづくりを進めています。特に住民の安全確保に直結する避難所運営では、避難所ごとに運営マニュアルの作成を進め、完了した地区では訓練でブラッシュアップしています。さらに、避難所になる学校へ飲料水などを早く届けるため応急給水栓を今年度中に整備するほか、避難所施設の改修や耐震補助を拡大します。
このように市民や地域とも協働しながら災害への備えを充実させ、今回の講話で大西市長が話された「市民力×地域力×行政力」で、それぞれの力を再結集し、地域防災力を強化していきます。
(大西)熊本地震では、松山市をはじめ多くの方々から温かいご支援をいただいたことに心より感謝いたします。
熊本地震での課題を踏まえ、地域が主体となる避難所運営体制の強化を図るため、地域住民などで構成する「避難所運営委員会」や、校区内の避難所の取りまとめなどを行う「校区防災連絡会」の設置を推進しています。
また、避難所機能を強化するため、トイレの洋式化やマンホールトイレ、貯水機能付き給水管の設置、非常用電源などの備蓄品の充実なども進めています。
今回の講話のように、地震の経験を多くの皆さんにお伝えすることも重要と考えており、熊本市のみならず、各自治体の防災力向上の力となれるよう取り組んでいます。

◆これからのまちづくり
(野志)少子高齢化や人口減少が進む中、感染症や気候変動に伴う自然災害、南海トラフ巨大地震などへの対策や備えも重要度を増しています。
「より優しく より強いまつやまへ」を4期目のスローガンとし、少子化対策や子育て環境の充実、まちのにぎわい創出、安全・安心のまちづくりなどに力を入れています。
今後、人口が減少する中でも、さまざまなことに挑戦する前向きな姿勢を持ち続けながら、デジタル技術などを生かし、市民目線でのサービス向上で満足度を高めます。また、民官連携や新たな市民の交流の場を生み出し、つながりの輪を広げ、市民が幸せを実感できる「ウェルビーイング」の実現を目指していきます。
(大西)激甚化・頻発化する自然災害、進行する少子・高齢化や人口減少などの課題に向き合いながら、熊本への半導体関連企業の進出といった千載一遇の好機を捉え、未来への礎づくりを着実に進めていく必要があります。
本年度からスタートした熊本市の長期的なまちづくり計画である第8次総合計画に、あらゆる自然災害による被害からの脱却や、子ども・子育て分野をはじめとしたさまざまな分野でのDX推進等による市民サービスの向上、自動車交通と公共交通のベストミックスによる交通渋滞の解消などを盛り込みました。
引き続き、市民の皆さんとの対話を徹底し、「誰もが憧れる上質な生活都市くまもと」の実現に向け、全力で取り組んでいきます。

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