◆ナノハナ・サクラ
動植物園(どうしょくぶつえん)の春(はる)の風物詩(ふうぶつし)といえば、花畑(はなばたけ)に広(ひろ)がるナノハナという方(かた)も多(おお)いかと思(おも)います。春(はる)の陽気(ようき)のなか、小高(こだか)い丘(おか)の上(うえ)一面(いちめん)にナノハナが咲(さ)き誇(ほこ)り、黄色(きいろ)いじゅうたんを敷(し)いているかのような光景(こうけい)がひろがります。また、周囲(しゅうい)にはサクラの木(き)があり、満開(まんかい)となった早咲(はやざ)きの品種(ひんしゅ)「陽光(ようこう)」や咲(さ)き始(はじ)めたソメイヨシノが華(はな)やかな彩(いろど)りを添(そ)えます。
春(はる)に一斉(いっせい)に花(はな)が咲(さ)くのは、植物(しょくぶつ)が温度(おんど)に反応(はんのう)しているからです。ナノハナはアブラナ科(か)の植物(しょくぶつ)ですが、この仲間(なかま)は一定(いってい)の大(おお)きさに育(そだ)った株(かぶ)が寒(さむ)さにさらされることで花芽(かが)を作(つく)り、その後(あと)、暖(あたた)かくなると花茎(かけい)を伸(の)ばして花(はな)を咲(さ)かせます。一方(いっぽう)、サクラは夏ごろに花芽(かが)を作(つく)り、秋(あき)に休眠(きゅうみん)に入(はい)ります。その後(あと)、冬(ふゆ)の強(つよ)い寒(さむ)さで目覚(めざ)め、だんだんと暖(あたた)かくなってくることで花(はな)を咲(さ)かせます。春(はる)になり暖(あたた)かくなってから咲(さ)けば、蜜(みつ)を吸(す)いに来(き)た昆虫(こんちゅう)が受粉(じゅふん)を手伝(てつだ)ってくれます。
園内(えんない)の桜(さくら)並木(なみき)には、ソメイヨシノのほかにもチハラザクラやオオシマザクラなどが咲(さ)いているので、花(はな)の色(いろ)や形(かたち)など見(み)比(くら)べてみてはいかがでしょうか。
緑(みどり)の相談所(そうだんしょ) 中川 佳奈(なかがわ かな)
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