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自治体の皆さまへ

専門医に聞く医療の話

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熊本県熊本市

◆手術で良くなる認知症とは
・熊本市立熊本市民病院
脳神経外科 部長 田尻 征治

市民の皆さんの健康や病気に対する意識が高まっている中、このコーナーでは、医療について気になるテーマを取り上げ、情報を発信していきます。第1回目の今回は、皆さんの関心が高い認知症の中で、「手術で良くなる認知症」について専門医に聞きました。

◇手術で良くなる認知症とは
認知症とはさまざまな脳の病気や障害で記憶力や判断力が低下する病気ですが、慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症によって起こる認知症は手術の適用があります。

◇慢性硬膜下血腫とは
高齢男性に多く見られ、比較的軽い頭の外傷後1か月くらい経って、もの忘れ、頭痛、ふらつきや手足の動かしにくさなどが起こります。脳の表面に少しずつ血がたまって脳を圧迫するもので、たまった血を手術で取り除くことで症状の改善が望めます。

◇正常圧水頭症とは
何らかの原因で脳の周囲を満たしている髄液の流れが悪くなり、髄液が通常より多くたまって起こる病気で、もの忘れ、転びやすいなどの症状が起こります。おしっこがとても近く、トイレが間に合わなくなることもあります。髄液シャント術という手術で、余分にたまった髄液を流すことで症状の改善が望めます。

◇注意点は
時間とともに症状は進行しますので、早期発見、早期治療が大切です。もの忘れが急に進んだり、転びやすくなったりした場合には、まずはこれらの病気を疑い、早めに専門医(脳神経外科、脳神経内科など)にご相談ください。

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