県では毎年5億円程度の野生鳥獣による農作物被害が発生しています。鳥獣による被害は「農業だけの問題」ではありません。こうした被害発生の原因は、人間による「えづけ」にあるといわれています。
鳥獣被害対策の基本は、「えづけ」をやめることにあり、県ではこれを「えづけSTOP!対策」として推進しています。鳥獣対策について正しく学び、地域全体で鳥獣被害対策に取り組みましょう。
■鳥獣被害の原因を知る
鳥獣被害は、野生鳥獣が田畑や集落を「エサ場」と認識することから始まります。「エサ場」とは、(1)鳥獣が身を隠せる「ひそみ場」と、(2)農作物を含めた「エサ」の両方がそろう場所です。人間が無意識に収穫残渣(ざんさ)や生ごみを放置して、田畑や集落を「エサ場」として学習させること、これを「えづけ」と言います。
■えづけSTOP!対策の順番
鳥獣被害対策では、対策の順番を守りながら、地域ぐるみで対策を進めることが重要です。野生鳥獣を寄せつけない集落づくりに取り組みましょう。
(1)集落みんなで勉強
(2)守れる集落・田畑づくり
(3)柵などによる囲いや追い払い
(4)個人でできない対策
また、1年の間で最もえづけが進むのは、山からエサがなくなる「冬」の時期です。この時期にイノシシやシカにエサ場と認識されてしまうと、毎年被害に合うおそれがありますので、冬場は特に注意しましょう。
■地域のエサ場度をチェックしてみましょう!
一つでも該当があれば、地域が野生鳥獣などに狙われやすい「エサ場」や住みやすい「ひそみ場」となっている可能性があります。
◇えづけ度チェック
・お墓のお供え物・ゴミ捨て場の生ゴミを回収していない
・9月以降に草刈りをして、1月~2月にかけて、青草が生い茂っている
・収穫しないままの果実(ビワ、スモモ、クリ、カキ、ミカンなど)を放置している
・野菜くずや生ゴミなどを田んぼや畑に放置している
・タケノコを収穫せずに、そのまま放置している
◇ひそみ場チェック
・使っていない田畑に、雑草が生い茂っている
・見通しの悪い雑木林や竹林がある
・イノシシなどを見かけても誰も追い払わない
問い合わせ:
産業振興課 農林係【電話】32-1115
熊本県むらづくり課【電話】096-333-2416
<この記事についてアンケートにご協力ください。>