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人権の広場

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熊本県球磨村

■6月22日は「らい予防法による被害者の名誉回復および追悼の日」です
昨年、菊池恵楓園(きくちけいふうえん)で行われた研修会に参加しました。説明を聞きながら園内の施設を回りましたが、「以前の恵楓園は療養所ではなく、収容所だった」と言われたように、人権を無視した施設や規則だったことを実感しました。
患者の隔離を定めた「らい予防法」は平成8年に廃止されましたが、90年にもおよぶ誤った施策によって強められた偏見や差別は根強く残されています。現在の入所者は高齢化が進み、自分だけでなく家族への差別を恐れ、病気が治った今でも社会復帰ができない人がほとんどです。また、亡くなられても故郷に帰れない人の遺骨が園内の納骨堂に並んでいました。
社会に残る偏見差別に苦しんだ回復者のご家族は熊本地裁に提訴、令和元年にハンセン病家族訴訟判決が確定し、引き裂かれた患者とその家族の苦しみが「人生被害」として認められました。「元患者の努力によって裁判に勝訴し、人間としての尊厳を取り戻した。」と講話の中で話されました。
新型コロナウイルス感染症についても、初めの時期に、患者や医療従事者に対して同じような差別事件が起きました。今後も新しい感染症が発生するかもしれません。ハンセン病問題について正しく学び、同じ過ちを繰り返さないようにすることが大切です。

・ハンセン病は「らい菌」による感染症ですが、非常に感染しにくい病気です。
・治療法が確立している現在では、早期発見と早期治療により、障がいを残すことなく、外来治療で治すことができます。
・偏見や差別があるのは、隔離政策などにより、「怖い病気」として誤った情報が定着していたからです。

現在は入所者が地域から孤立しないような取り組みが進められています。恵楓園に隣接して小・中学校が、園内にはこども園があります。研修中に見かけた園児が元気よく散歩する姿に希望を感じました。

問い合わせ:教育委員会 社会教育係
【電話】32-1117

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