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自治体の皆さまへ

特集 年末火災予防 炎から命を守る(1)

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熊本県荒尾市

日頃から火災予防に心がけ大切な人の命を守る

■住宅火災は減少傾向でも火の取り扱いは油断禁物
これから気温が低くなり、空気が乾燥する季節に向けて、特に気をつけたいのが〝火災〞です。荒尾市・玉名市・玉東町・南関町・長洲町・和水町からなる有明広域の昨年の火災発生件数は103件、10月から3月に集中してみられ、最も多かったのが12月でした。
近年はオール電化住宅の増加により、荒尾市全体としての住宅火災は減少傾向にあります。しかし、暖房器具の使用や、屋外でたき火などをする機会も増える冬場の油断は禁物です。実際に昨年で最も多かった出火原因もたき火で、その次に多かったのが、野焼きのように下草などを焼く、火入れでした。
そこで、今回は荒尾消防署さんに火を取り扱うときの注意点や、普段の生活で意識しておきたい火災対策、もしもの時の対処法などを伺いました。一人ひとりが防災意識を高め、自分や大事な人の命を守る行動を日頃から心掛けましょう。

▽令和4年の火災種別と出火原因

■地域の安全を守ってくれている荒尾消防署にインタビュー!
最悪の事態を未然に防ぐ
荒尾消防署Interview

◇荒尾消防署 村上重徳(むらかみしげのり)署長
1984年に入署、来年で40年目。1999年には救命救急士の資格を取得。思いやりに満ちたやさしい人柄で慕われています。

◇多種多様な災害に備え柔軟な対応力を培う
いつどこで発生するのか、予測できない災害。多種多様な災害の現場では、迅速かつ臨機応変な行動が求められます。「常に固定された観念にとらわれることなく、対応力の向上に努めています」と厳しい口調で語るのは、荒尾消防署の村上署長。近年、自然災害などが増えていることから、災害対応において地域の消防団員のみなさんとの連携と関係性の強化を図っているそうです。
また、空気が乾燥するこれからの時期。風の強い日などに火を使用する場合は特に注意が必要です。これからもっと気温が低くなるため、暖房器具の使用頻度が多くなり、屋外ではたき火などをする機会が増えてきます。「火を使うときは、その場を離れないことが鉄則。十分注意するとともに、火災を発見した場合は適切な初期消火と早期の119番通報をこころがけてほしいです。各家庭では、住宅用火災報知器の設置や適正な維持管理をすることで、火災の早期発見につなげましょう」と村上署長は呼びかけます。

■不測の事態から命を守る!日頃の備えが鍵に
◇いざ、119番通報!何をどう伝える?
深刻な火災が発生しやすいこれからの季節。万が一、火災に遭遇したときに私たちがどのように行動するかで状況は変わってきます。119番通報をするときに抑えておくべきポイントを荒尾消防署の隊員さんに尋ねたところ、まずは、通報した人の安全確保が第一。さらに火災現場に逃げ遅れた人がいるかどうか、何が燃えているかを伝えます。その3点が重要だそうです。
場所や状況によって火災状況はさまざまですが、最も身近な住宅火災が起きた場合、私たちはどのように行動すれば良いでしょうか。「住宅火災の場合、まずは119番通報を。加えて、炎が天井まで達しているかどうかが、ひとつの判断基準になります。すでに炎が天井まで達しているようであれば、速やかに屋外の安全な場所へ避難してください。そうでない場合は、自宅にある消火器で初期消火できる可能性もありますが、絶対に無理はしないでください」と隊員さん。自身で消火器を使用する場合は、火災が起きている場所から5メートルほど離れ、1回あたり15秒噴射し、ほうきで掃くようにかけるのが正しい使い方だそう。もしもの時に落ち着いて行動できるように、各世帯で消火器の保管場所や使用期限、使用方法などを確認しておくことの重要性を訴えます。
避難するときの注意点として、煙の特性を知っておくことも命を守るために大事なポイントに。「煙による呼吸困難や一酸化炭素中毒で被害が拡大します。空気より軽い煙の層は上に溜まるため、マスクやハンカチを口に当て、低い姿勢で避難しましょう」と続けます。

◇深刻な被害を防ぐため防災意識を高めよう
年末年始にかけて外出する機会が増えることも予想されます。商業施設やホテルでの火災対策として、普段よく訪れる施設でも、初めての場所でも、避難経路の確認を習慣化することで〝もしも〞の際にも落ち着いて行動ができると言います。
特に大勢の人が集う高層ビルや面積の広い建物では、その分避難に時間がかかるもの。避難経路を事前に把握しておくことで現場での混乱を防ぎ、速やかな避難を促します。「多くの施設は、階段やベランダなど複数の避難経路を確保する〝2方向避難〞が義務付けられています。1つの避難経路が塞がれても慌てず落ち着いて行動しましょう。避難するときに余裕があれば、各部屋に逃げ遅れた人がいないか確認し、逃げ遅れがないと確認した部屋は、扉を閉めることを意識してほしいです」と隊員さんは話します。地震のときは扉を開けて避難することが良しとされていますが、火災の場合は扉を閉めることで炎の進行を遅らせるとともに〝逃げ遅れ確認済み〞の合図にもなるのだとか。ただ、こうした知識の範疇に収まらない火災があることも事実です。荒尾消防署では、1人でも多くの市民を災害から守り、安心と安全を届けられるように日々鍛錬を積んでいます。
大切な人の命を奪う可能性もある火災。自分や周りの大切な命を守るためにできることは必ずあります。自宅には住宅用火災報知器や消火器を設置し、自宅やよく行く施設の避難経路の確認などを行うことで防災意識を高めて万が一の場合に備え、何事もなく新年を迎えましょう。

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