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市長からのメッセージMessage from the mayor vol.116

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熊本県菊池市

■未来に生かす過去 江頭実
先日、本市深川・北宮地区にある菊池一族関連の遺構が、「菊池氏遺跡」として国指定史跡へ答申されました。国指定史跡は、歴史的・学術的価値が高い文化財を指し、本市では鞠智城に次ぐ2件目の指定です。菊池氏遺跡は(1)領主館と考えられる「北宮館跡(菊之城)」、(2)近接の護岸施設・船着場跡、(3)一族の精神的支柱となった「北宮阿蘇神社」を総称したもので、10年以上にわたる、地域住民の皆さんのご協力や学術関係者のご尽力が実を結んだものです。
菊池一族は平安から室町時代の450年もの間、菊池を本拠として活躍。南北朝時代の一時期は九州北部を平定するなど、九州の中世史を語るうえで欠かすことのできない重要な役割を果たしてきました。北宮館跡やその周辺は菊池一族の初期の様相を知るうえで貴重な遺跡です。
今後は国指定史跡としての保存と共に、市の発展にどう活用するかも重要になってきます。領主館のすぐ近くに船着場や護岸施設跡が見つかったこと、周辺に上市場・下市場の旧地名が残っていることなどは、当時の水運を巧みに使った物流システムの存在が考えられ、歴史ファンの興味をかきたてます。また、子どもたちが先人の知恵や努力を学ぶ格好の教材です。
菊池氏は後年この地域から隈府地区に本拠を移していきます。隈府地区の旧市街は、全国的にも珍しい南北朝時代の碁盤の目。将軍木や能場の他にも、幾つかの遺構が眠っています。歴史のロマンは想像力を刺激するもの。何よりも一族の歴史物語は興味が尽きません。のんびりとゆったりと歴史散歩を楽しむまち。そんなまちにしたいものです。

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