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菊池人(128)~先人からのバトンを次の世代へ

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熊本県菊池市

■自然農法の担い手 實取義洋さん
〔Profile〕みとり・よしひろ
昭和55年7月25日生まれ。熊本電波工業高等専門学校(現・熊本高等専門学校)に入学するも、大量生産・大量消費社会に疑問を抱き3年で中退。県内外を問わず環境保護活動に参加する。「菊池環境保全型農業技術研究会」の考えに感銘を受け就農。農薬や肥料を使わず、土の中の微生物や作物の周りの草や虫などの力を生かした「自然農法」にこだわる。日本古来の在来種米「旭1号」「穂増(ほまし)」などの栽培の他、実家の養豚から出る家畜ふんを用いた堆肥で水田ごぼうの生産も行う。8人家族。寺小野区在住。43歳。

「先祖が代々つないできた田んぼがあるからこそ今、この環境で農業ができるんです」。不惑を過ぎた守り人は、自然農法という理想を掲げ、昔ながらの中山間地の風景を残そうと奔走する。
実家は養豚を営む畜産農家。太らせるために大量輸入する穀物、肉になるために殺される動物の命に悩み、日々、答えを探していた青少年期。そんな時、出会ったのが農薬や化学肥料を使用しない「菊池環境保全型農業技術研究会」だった。「人にも環境にも優しい農業に感動しました」。研究会で学びを深め、平成23年に就農。生まれ育った龍門地区で自然農法による米作りが始まった。
始めは失敗の連続。イノシシが出て全滅した年もあった。それでも“自然”にこだわり続けられたのは「實取さんのおコメはアレルギーがあっても食べられる」といった消費者の声だった。生育が難しい日本古来の在来種米の栽培にも挑戦し、銀座の高級寿司店や海外の飲食店とも取引するようになった。「代々続く田んぼが評価されたみたいでうれしい。続けてきたことが間違いじゃなかったと思いました」
近年は自然と向き合う人を増やそうと積極的にイベントに協力。自身の畑を開放し、農業の楽しさを伝えている。「続けることが大事なんです。米作りなどで水路や農道を維持管理することが景観維持にもつながる。先人たちが残してくれた美しい風景を次の世代につなげること。これからの目標です」

■「菊池人」希望者を募集します
新しいことに挑戦している人、伝統を受け継いでいる人など、菊池で頑張っている人を募集します。本市在住であれば自薦・他薦は問いません。詳しくは市長公室までお問い合わせください。

問い合わせ先:市長公室広報交流係
【電話】0968-25-7252

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