市長からのメッセージ Message from the mayor vol.123

34／42

■視点と景色　江頭　実
・先日、菊之池小学校5年生の代表10人が市役所を訪れ、総合学習の成果を発表してくれました(関連　本紙25ページ)。その内容は、菊池の白龍伝説にまつわる3つの物語を自分たちで調べて紙芝居に仕立てあげ、しかもそれを菊池弁で語り聞かせるものです。
・菊池一族の始祖が菊之池のほとりで休んだ際に白龍が現れ、それが菊池の始まりとなったという伝説や、戦後、苦労の果てに菊池温泉を掘り当てた時、夢枕に白龍のお告げがあったという逸話。また現在の白龍祭りもそうした伝説を基に、当時の人たちが地域活性化のために始めたことなど、たくさんのことを学んだそうです。その内容を地元住民の皆さんに教えていただいた菊池弁でまとめ上げた紙芝居は素晴らしい出来栄え。久々に聞く「純粋菊池弁」がユーモラスで笑いと拍手に包まれました。
・発表後、児童の一人が「自分の住む地区が菊池の歴史に関わっていることはとても誇らしく、以前より風景が美しく感じる」と素直で素晴らしい感想を述べました。当然のことながら、彼らの調査の前後で池の周辺は何も変わっていません。変わったのは子どもたち自身。自分の見方次第で景色が変わるということを伝えた時、その子の目がハッと大きく見開かれたのがとても印象的でした。
・一人の人生は短いですが、この地で営まれた無数の人生が累積したものが、唯一無二の菊池市の歴史文化です。日常生活の繰り返しの中で時には視点を変えてみると、私たちは実は宝の山の中に住んでいます。それを気付かせてくれた子どもたちに心からのエールを送ります。「あたたちゃ、いさぎゅーよかったばい!」

これまでの記事はホームページで見ることができます。
ホームページ→「市長室へようこそ」→「市長メッセージ」