令和5年度から実施している「阿蘇プロジェクト」。
健康寿命の延伸に向けて阿蘇市と阿蘇中央高校、阿蘇プロジェクトってなに?
熊本保健科学大学、の三者が連携して取り組んでいます。どのようなプロジェクトなのでしょうか。
■阿蘇プロジェクトってなに?「ずっと元気でいたい」その思いを応援するプロジェクト
阿蘇プロジェクトは、高齢者の健康寿命を延ばすためのプロジェクトです。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを言います。健康でいる期間を長くするためには、身体や心、社会的なつながりが弱くならないように健康なうちから取り組むことが必要です。
阿蘇プロジェクトでは高齢者を対象に自分の現状を知るための体力測定会を開催し、データを分析。結果を参加者に通知し、生活習慣の改善を目指します。測定項目は約30項目。握力や歩行速度、一定時間でのステップの回数といった運動に関するものから食事の状況や認知機能、社会参加の程度に関するものまで多岐にわたります。
測定会は6月と11月の計2回実施。参加した尾前すや子さんは「回りきれないと思うほどたくさんの測定項目があったけれど、グループごとに誘導してもらいスムーズに測定できました」と振り返りました。
測定会後、参加者それぞれの測定結果と生活習慣改善に向けた助言が記された書類が送付されます。すや子さんと参加した夫の惠二さんの自宅にも書類が届いていました。76歳になる今でも仕事をしており運動に関する項目には自信があったと言う惠二さん。測定会で足を動かす速さやバランスに関する機能に改善点が見つかりました。「測定結果を通して新たな気づきを得られるのはとてもいい」
書類を広げながら「あと30年は元気で過ごしたい」と笑う2人。次回の参加について尋ねると「参加したい」と答えました。
○令和6年度 体力測定開催決定
市内の65歳以上が対象。詳しくは4月中にお知らせ端末でお知らせします。
■阿蘇プロジェクトってなに?高校生、大学生と高齢者 世代を超えて地域を元気にするプロジェクト
阿蘇プロジェクトを支えているのは若い力です。市と阿蘇中央高校、熊本保健科学大学は昨年2月16日に包括連携協定を結びました。協定は、測定会を通じて健康寿命を延ばすだけでなく、阿蘇地域の健康増進に貢献する人材の育成や地域全体の活性化も目指しています。
6月の測定会には同高の生徒約50人と同大の学生約40人が参加。高校生と大学生がそれぞれの測定を担当し、運動機能や栄養状態、社会参加の程度などを調べました。高校生は大学生の教えも受けながら、参加者に測定の流れを丁寧に説明。参加者は「優しく案内してくれた」と生徒の対応を高く評価していました。
1回目の測定会後、11月の2回目までの期間中、生徒たちは参加者へ電話をかけ、自宅での運動の頻度や強度を確認。体力測定終了後のアンケートでは参加者のうち8割超が電話のあとに運動のやる気が出たと回答しました。若い世代の取組みが高齢者の意識にいい影響を与えていたと言えます。世代を超えた交流はこれからも地域全体を元気にしていくことでしょう。
◆Interview
○熊本保健科学大学 佐藤 颯太さん
人とのコミュニケーションは実際にやってみないとわからないことがあります。測定会を通じてそれを学ぶことができてよかったです。将来は阿蘇で地域に貢献できる言語聴覚士になりたいです。
○阿蘇中央高校 髙木 孝晃(よしあき)さん
測定会では、相手にわかりやすく伝えるために、丁寧なことばづかいで相手の立場に立って話すように心がけました。以前から医療関係の仕事に興味があり、その気持ちがより強くなりました。
問合せ:健康増進課
【電話】22・5088
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