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自治体の皆さまへ

ぜったいに災害から命を守る(1)

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熊本県阿蘇市

初夏から秋にかけて、梅雨前線や台風の影響で大雨・洪水・暴風などによる自然災害が発生しやすくなります。緊急時にどういった行動をとるべきか、日ごろから何をしておくべきか。
ことし4月から防災の専門家として新たに阿蘇市役所に採用された黒岩久男危機管理監と、防災士の資格を持つ菊池真菜さんに話を聞きました。

■災害とは決して闘わない すぐ逃げて
黒岩久男 危機管理監

平成24年7月12日に発生した九州北部豪雨。この豪雨災害は阿蘇市に甚大な被害をもたらしました。
当時陸上自衛官だった黒岩久男危機管理監。災害派遣で訪れた阿蘇市で現地の惨状を目の当たりにし、「自然にはとても太刀打ちできない」と感じました。
定年退官に伴い自衛隊を後にし、これまでの経験を地域で役立てるため、地域防災マネージャーの資格を取得。合志市の防災対策監を経て、ことし4月に阿蘇市の危機管理監として採用されました。

○危機管理監の仕事
危機管理監は防災・危機管理の専門知識と豊富な経験をもつ専門家として、緊急事態発生時の状況判断、対応策の立案や庁内防災体制の強化にあたります。その一環として、5月21日には職員緊急参集訓練を実施。午前5時55分に災害が発生したと想定し、全職員に対して職場へ参集するようメールが配信されました。職員に対し日時は伏せられていたにもかかわらず、発生から1時間30分で95パーセント以上の職員が参集。黒岩危機管理監は「市外から通勤する職員の参集も含め、その時間を把握することができた。今後、避難所開設や災害対策本部設置など初動対応に生かしていきたい」と話しました。
地域の防災力向上も危機管理監の仕事のひとつです。黒川地区の区長たちの会合に参加した黒岩危機管理監は「災害とは闘わず、すぐ逃げてください」と避難の重要性を強調。避難をためらう人に対しては近所の人が呼びかけたり避難する姿を示すことで避難に向かわせることができると伝えました。「地域で背中を押してあげることが大切です」
黒岩危機管理監は任期中に全ての地区を回り、それぞれと顔の見える関係を築くという目標を掲げています。「防災に取り組む地域の背中を押していきたい」

■自分の命は自分で守る このことを忘れてはいけません
菊池真菜さん

○地域に貢献したい
菊池さんは阿蘇医療センターで臨床検査技師として働いています。防災士の資格をとったのは大学生のとき。防災に関する講義がきっかけでした。「熊本地震のときは地域のために何もできず『何かできていたらよかった』という気持ちがありました」。防災について学んで資格を取得しました。
防災士は防災に関する専門的な知識を持つ人として地域や学校、企業などで防災の中心を担う存在として期待されています。市では、ことしから市内に居住・勤務する防災士を対象に「阿蘇市防災士連絡協議会」を組織し、危機管理監と連携しながら市民の防災意識高揚、自主防災組織の防災力向上に取り組みます。菊池さんも協議会に参加するひとり。「1人でも多くの人に防災を自分のこととして考えてもらうための方法を考えたい」

■命を守るために必要なこと1
住んでいるところは安全?いつ逃げる?どこに逃げる?
「普段から確認しておく」
自然災害から命を守るためには事前に備えておく必要があります。ハザードマップで災害が発生する場所を確認しておき、くまもとマイタイムラインでどこに、いつ、誰と避難すべきかまとめて決めておきましょう。

○ハザードマップ
災害が発生する恐れの高い地域を着色した地図です。阿蘇市防災アプリを使うと、住んでいるところで発生するおそれのある災害をかんたんに確認することができます。阿蘇市ホームページでも見ることができます。

○くまもとマイタイムライン
大雨や台風などの自然災害から私たち自身を守るための防災行動計画です。あなたと家族の避難行動をあらかじめ整理しておくことで、いざという時あわてずに避難できます。県のホームページでも見ることができます。

○防災アプリ 防災阿蘇
市公式の防災情報アプリ。最新の防災情報や気象情報などを通知します。
ハザードマップや災害時専用伝言板へのリンクなどさまざまな便利機能も。

■〔事前に準備〕
避難のときに持ち出すものをあらかじめ準備しておきましょう

○生活用品
・厚手の手袋
・毛布
・ライター・マッチ
・ナイフ・缶切り
・ウェットティッシュ

○救急用具
・救急セット
・常備薬
・生理用品・紙おむつ

○非常食品
・乾パン・クラッカー
・缶詰・レトルト食品
・栄養補助食品
・アメ・チョコレート
・飲料水
・粉ミルク・ほ乳びん

○その他
・携帯用カイロ

○貴重品類
・小銭
・預金通帳・カード類
・印鑑
・健康保険証・免許証等(コピー)

○衣料品
・下着・靴下・タオル
・防寒具
・雨具

○避難用具
・懐中電灯
・携帯ラジオ
・予備の乾電池
・レジャーシート

最低3日間過ごせる食糧を準備しましょう

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