~互いの人権を尊重し、支え合うことから~
~部落差別のない社会を実現するために(2)~
1 日常生活の中にある「思い込み」や「偏見」
私たちが住む社会の中には、差別を容認し、差別を広げてしまいかねない考え方や行動様式が未(いま)だに残っています。例えば、「女のくせに…!」、「男のくせに…!」、「子どものくせに…!」と、人から言われた(人に言った)経験はありませんか。これらの発言をよく考えてみると、そこには「女性(男性、子ども)は…するもの」といった一方的な思い込みや固定観念が潜んでいるように思われます。このような考え方は、相手を、個性を持った一人の人間として見ることなく、レッテルを貼ってひとくくりにしてしまうことで、さらに偏見や差別を温存・助長していくことにつながっていきます。
また、話し合いの中で物事を決めたり、判断したりする時に、「科学的には何の根拠もないのに…」、「どうみてもおかしい!」と感じていても、「周りの人がどう思うだろう?」と周囲の目を気にするあまり、結局、その意見に従ってしまう…といったことはないでしょうか。これもまた、差別の存在を認め、許してしまうことにつながると考えられます。
2 日常生活の中で「人権感覚」を磨きましょう
子どもにとって、家庭内での何気ない大人との対話は、その後の人生に大きな影響を与えると言われます。実際、差別意識や偏見は、子どものうちに、親など身近な人から聞かされてつくられた場合が多いのです。
私たち大人は、子どもたちに誤った知識を教えることなく、相手を尊重する心を持つよう普段から心がけ、言葉や行動で示していくことが大切です。一人一人の力は小さなものかもしれませんが、家庭、職場、地域社会などを通して日頃から人権感覚を磨くことが、―人一人の生き方や価値観を尊重できる社会の形成につながっていきます。
私たちは、他人に寄りかかったものの見方をせずに一回立ち止まり、広い視野を持ち、きちんとした根拠に基づいて考え、判断していくことを大切にしていきたいものですね。
問合せ:高森町教育委員会 地域人権教育指導員
【電話】0967-62-0227
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