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地域医療最前線!公立河北中央病院赤ひげ通信

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石川県津幡町

■冬に向けた感染対策
感染管理認定看護師 灰屋こずえ
5月からマスク着用の考え方が見直され、私たちの生活は少しずつ通常に戻りつつあります。新型コロナウイルスがニュースで取り上げられることは少なくなりましたが、感染者数が大きく減少しているわけではありませんし、冬に向けて流行する感染症もあります。今回は、冬に向けた感染対策をお話しします。
秋から冬にかけて流行する代表的な感染症は、インフルエンザやRSウイルス、ノロウイルスなどですが、新型コロナウイルスも引き続き注意が必要です。インフルエンザやRSウイルス、新型コロナウイルスの感染経路は、咳やくしゃみ、会話などで生じる飛沫(細かい水しぶき)から感染する飛沫感染です。飛沫感染の対策は飛沫を飛ばさない・吸い込まないことで、マスクが有効です。コロナ禍に逆戻りと感じるかもしれませんが、新型コロナウイルスの流行前から飛沫予防策の基本はマスクの着用です。感染症には、ウインドピリオドと言って検査では陽性にならないことや、陽性になるまで時間がかかる期間があります。そのような場合でもマスクをしていることで自身を感染から守り、自身が感染していた場合でもほかの人を感染から守れる可能性があります。飛沫予防策が必要な感染症の流行時や、身近に流行している場合はマスクの着用が有効だと言えます。
ノロウイルスは嘔吐物や排泄物に触れることで感染する接触感染です。接触感染の予防策の基本は手洗いですが、ノロウイルスは構造が複雑でアルコール消毒は効果がありません。そのため流水とハンドソープなどの手洗いが有効です。冬にかけてノロウイルス以外の感染性腸炎も流行することがありますが、症状では区別できません。そのため、自分自身や家族に下痢や嘔吐の症状があった場合は、アルコール消毒ではなく、手洗いのほうが感染対策には有効だと言えます。
新型コロナウイルスでマスク、手洗いがよく取り上げられていましたが、それは新型コロナウイルスだけではなく、ほかの感染症にも有効です。コロナ禍を経験し、やっと通常の生活に戻りつつある中、また感染対策かと嫌な気持ちになる方も少なくないかもしれません。以前のように常に過剰な対策をする必要はありませんが、身近で流行している場合は、適切な感染対策を行って冬を乗り切っていきましょう。

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