■CT検査について
診療放射線技師 達美奈子
CTとは、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography)の頭文字を取った略です。エックス線を用いて体の断面(輪切り像)を画像にします。
CT検査の目的は、精密検査(病気が疑われる場合、病気、手術前・後など)や経過観察など、多岐にわたります。検査の目的によって、撮影方法や画像の処理も異なり、造影剤を使用する場合もあります。
▽検査について
検査する部位に、ボタンやファスナーなどの金属類がないようにしてください。これらは画像に影響を与えてしまいます。
ベッドの上にあおむけの姿勢になります。あおむけができない方は横向きになります。ベッドが自動で動いてトンネル状の装置の中に入ります。この装置が体の周りを回転しながらエックス線を出し、コンピュータで処理をして画像にします。
CT検査では精密な画像が得られるため、血管、骨、筋肉、脂肪などさまざまな組織を区別し、体内の構造や小さな異常も写し出します。画像をコンピュータで構成し、三次元画像を作成することもできます。検査時間は、検査する部位や造影剤の使用有無により異なりますが、5~20分程度です。検査室は明るく、最近の装置はトンネルの中も広い造りになっているため、圧迫感もありません。閉所や暗い場所が苦手な方も安心して検査を受けることができます。
▽被ばくの心配
エックス線を用いるため、被ばくの心配をされる方もいるでしょう。CT検査の放射線の量は、検査の内容や患者さんの体格によって異なります。一般的なエックス線撮影(レントゲン撮影)よりも多くなります。
体の状態を確認する利益と被ばくの影響という不利益を比べ、医師がCT検査で利益が優先されると判断した場合は、検査が行われます。また、CT検査を受けて特に何も見つからなかったとしても、「病気かもしれない」という不安はなくなるため、精神的に安心することもできます。
過度に心配することはありませんが、不安がある場合は医師に伝え、CT検査の目的や必要性について説明を受けましょう。
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