■夏のバーベキューは危険がいっぱい
河北中央病院看護師 松本寛志
COVID‐19(以下コロナ感染症)との共生により、今まで自粛していた多数での飲み会やバーベキューが増えたことと思います。そんな今だからこそ気をつけたいのが食中毒です。
食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。
食中毒を防ぐためには、食中毒予防の三原則があります。
(1)細菌を食べ物に「付けない」
(2)食べ物に付着した細菌を「増やさない」
(3)食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」
買ってきた食品をすぐに食べるのだから大丈夫だと思われている方は要注意です。そもそも、牛や豚などは、解体処理する過程で腸内にいる腸管出血性大腸菌やサルモネラのような病原性の細菌が肉や内臓に付着し、ウイルスや寄生虫に感染している場合があります。そこで、個人でもできる食中毒予防の三原則について詳しく解説していきます。
(1)細菌を食べ物に「付けない」
加工のとき以外に、食べ物に細菌が付く可能性は、食材を扱う方の手になります。食材は扱う前は手をよく洗いましょう。手は15秒水洗いするだけで、付着した細菌数が100分の1になり、さらに石鹸で手をよく洗うと100万分の1になります。(厚生労働省ホームページより)手を石鹸でよく洗ってから食材を扱いましょう。
(2)食べ物に付着した細菌を「増やさない」
万が一食べ物に細菌が付いていたとしても、ほとんどの細菌は増えなければ害を与えることは少ないです。
その対処法として、夏場の炎天下の中に食材を長時間置かないということです。外で調理する機会が増えるバーベキューですが、クーラーボックスなどに氷をつめて、できるだけ焼く直前まで冷やしましょう。
(3)食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」
調理器具は、家ではキッチンで食材ごとに洗うことが可能ですが、バーベキューではそうはいきませんので、できる限り調理器具は野菜とお肉で分けるなど工夫しましょう。また、焼くときの箸、トングなども食材によって変更する必要があります。
今年の夏は、食中毒予防の三原則を守って、楽しい思い出と自身のお腹にも優しいバーベキューにしましょう。
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