◆スポーツと文化
次に、スポーツと文化の取り組みでございます。
ウェルビーイングに関する研究や考察には様々なものがありますが、多くの研究において、良好な人間関係がウェルビーイングを実感する要素であると考えられています。人から評価されたり感謝されたりすることによって培われる「自尊心」や「自己肯定感」だけでなく、自分が誰かに「感謝を伝えること」や、相手の気持ちを理解する「共感」もウェルビーイングの実感につながると言われています。こうした気持ちを養うためには、達成感や連帯感をもたらすスポーツも大きな役割を果たすと考えております。
人は、スポーツをするとお腹が減り、「空腹は最高のスパイス」とも言われるように、その後の食事が美味しく感じられます。また、体を動かすことによる適度な疲労感は質の良い睡眠へとつながります。さらには、身体的な効果だけでなく、仲間を思いやる心、相手を敬う心など、生きるために必要な社会性を育む効果も期待できます。このようにスポーツの持つ力の可能性は多岐にわたっており、私はかねてより、スポーツに取り組む重要性を訴えてまいりました。今後、より多く、より幅広い世代の市民の皆様にスポーツに触れ、楽しんでいただけるよう、施策を進めてまいります。
新年度には、綾瀬市と連携し、大和ゆとりの森と綾瀬スポーツ公園を会場とした新たなスポーツイベントを開催いたします。大和シルフィードや横浜F・マリノスをはじめとする、それぞれの市をホームタウンとする4つのサッカー事業者にもご協力いただき、小学生向けのサッカー教室や誰でも参加できる体験型ブースの設置などを予定しております。今後も他の自治体と連携した催しを模索してまいりたいと考えております。
また、これまで小中学生向けに開催していた女子サッカー体験会につきましては、中学生より上の世代を対象にしたものも新たに開始いたします。さらに、トップスポーツ観戦デーや大和市民総合スポーツ選手権大会などのイベントを引き続き実施していくことに加え、スポーツフェスタや駅伝競走大会については充実を図るなど、より多くの方にスポーツに親しむ機会を提供してまいります。
文化芸術に関しましては、これまでも、やまと伝統文化フェスティバルや大和市文化祭、大和市さくら文芸祭など、市民の皆様が作品を披露したり、鑑賞して楽しむことができる取り組みを実施してまいりました。新年度には、文化芸術に親しむ機会の充実を図るため、公共の屋外スペースを音楽、大道芸、ダンスなどのパフォーマンスを行う場所として開放し、アーティストの活動を支援する「SORA(そら)アーティスト」事業を新たに実施いたします。
◆にぎわい創出
次に、にぎわい創出の取り組みでございます。
令和2年以降、新型コロナの影響で様々なイベントが中止となりましたが、国内での感染が初めて確認されてから4年が経過し、ようやくまちのにぎわいが感じられる日常が戻ってきています。新年度は、本市最大のイベントである大和市民まつりのパレードがいよいよ復活するほか、うまいもの市など、多くの方に楽しんでいただけるイベントが再開となります。市といたしましては、地域の皆様が主体となって開催するイベントに対しましても、引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。
また、大和市平和都市宣言の趣旨に基づく取り組みとして、平和都市推進事業実行委員会が主体となり、例年開催している平和を見つめるパネル展や戦争体験を聞く会、平和映画上映会に加え、コロナ禍で中止となっていたピースリングバスツアーを再開いたします。これらのイベントは、太平洋戦争中に高座海軍工廠での労働に従事した台湾少年工に焦点を当てたものとし、大和の歴史を通じて平和を考える機会を提供してまいります。
地域経済の発展は、市内企業が元気であってこそ実現するものであり、これまでも事業拡大や設備投資をはじめとした企業活動への積極的な支援を行ってまいりました。今後も、引き続き既存の企業に対する支援を実施するほか、市内の空きスペースの活用などを視野に入れた積極的な企業誘致やトップセールスの実施、既に行っている起業家支援の取り組みなど、本市の発展につながる様々な施策を検討してまいります。
市民が集える拠点を確保することは、地域コミュニティの活性化につながるものと考えております。新年度は、コミュニティセンター下鶴間会館の移転工事に着手し、施設利用者にとって安全で快適な利用環境の整備を進めてまいります。
農業の振興を図るためには、新たな担い手を確保することや、市民が地場農産物を身近に感じられるような取り組みが重要です。新年度には、市が認定した新規就農者を対象に、園芸施設の新築に対する支援を行ってまいります。
また、農業に触れてもらう機会として、小学生を対象とした「さつまいも栽培体験教室」を開催いたします。苗の植え付けや収穫を体験してもらい、試食もしていただける予定です。なお、文献を紐解きますと、かつて本市周辺は、多くの生産量を誇るさつまいもの産地であり、昭和初期頃には、現在の相鉄線を走っていた神中鉄道が主催する芋掘り会が、毎年のように行われていたという記録も残っています。
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