産後のママは相当な体力を消耗し、ホルモンバランスも崩れ、精神的に不安定になりやすいとされています。市は、産後のママをサポートするため、「産後ケア事業」を実施しています。古橋産婦人科(南町)の院長と助産師さんに話を聞きました。
《出産の後には休養を》
昔は、産後のママは赤ちゃんの事にだけ集中できるように、「産後3週間は布団を敷きっぱなしで構わない」「目が疲れるから本も読んではいけない」などと言われ、とても大切に扱われていました。退院して実家に帰ると、半ば強制されるように、安静に過ごせるよう周囲が支えていたものです。しかしながら、今は定年延長もあり、祖父母世代も仕事をしていて実家を頼ることもできず、「夫婦二人で頑張ろう」という家庭が増えているようです。
当院では、助産師に赤ちゃんを預け、個室でゆっくり眠ることもできますし、育児や体調、生活に関する相談の他、別料金ですがリフレクソロジーやフェイシャルエステのサービスを受けることもできます。実家のようにゆっくりくつろいで、しっかり休養してもらい、また元気に赤ちゃんと過ごしてもらいたいです。
《ママ一人で悩まないで》
自分が疲れていることに気付かないほど、または、気付かないふりをして、頑張っているママたちが多いように思います。でも、疲労は産後うつの原因になるものです。産後ケアを行う際は、ママの疲れ具合を把握することから始めます。特に、初産のママは授乳の仕方や母乳がちゃんと出ているのかなど、自分のやり方が間違っていないか不安になりやすいものです。一人で悩みを抱えずに、些細(ささい)なことでも気軽に相談してほしいです。
《育児を楽しむために》
「赤ちゃんがいるのに、エステなんていいのかな?」というママもいますが、ママが幸せでないと赤ちゃんはもちろん、家族が幸せになりません。今日は休んで、明日から頑張るという気持ちも大切です。とにかく、何でも完璧にやろうと思わずに、大好きな赤ちゃんのためにも、産後ケアでもなんでも頼れるものは頼って、自分を大切にしながら育児を楽しんでもらいたいです。
◆[産後ケア事業] 受け入れ先が増えています!
・やちよ助産院(栢山)
・あおぞら母乳育児相談室(鴨宮)
・古橋産婦人科(南町)
・小田原レディスクリニック(城山)
・ことほぎ母乳育児相談室(南足柄市)
〈産後ケア対象者〉
市内在住の生後1年未満の赤ちゃんとお母さん
〈サポート内容〉
育児に関する相談や指導を受けることができます。
「お手軽コース(3時間コース)」 1回1500円
「しっかりコース(6時間コース)」 1回5400円
〈利用回数〉
1組の母子につき合計2回まで
※コースの種別問わず
◆[利用者の声] 久々の一人時間で生まれた心の余裕
産後ケア事業の制度を利用し、ことほぎ母乳育児相談室で産後ケアを受けた田口春美さん。
産後1カ月を過ぎた頃、母乳が出ないという悩みを抱えていた際に、市の保健師から産後ケアを紹介されて利用したそうです。
「母乳の悩みなどの相談に加え、娘のお世話をしてもらい、個室で3時間ほど休ませてもらいました。たったの3時間ではありますが、心身ともにリラックスできました」と話してくれました。「産後ケアを受ける前は心に余裕がなく、手伝いに来てくれた実の母にもイライラをぶつけてしまった」とのこと。「産後ケアは、育児相談だけでなく、子育ての気分転換の場として活用してもいいと思います。心身ともにリフレッシュすることで、改めて子どもとの時間を素直に楽しめると思います」と笑顔で話してくれました。
【WEB ID】P32555
問い合わせ:子ども若者支援課
【電話】0465-46-7025
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