年を重ねても、住み慣れた地域で暮らし続けるためには、お互いに支え合い、地域が一体となって適切なサービスや多様な支援を提供することが必要となります。
市や地域包括支援センターでは、4つの「地域ケア会議」の開催を通して、小田原に住む高齢者の暮らしを支える仕組みづくりを進めています。
《4つの地域ケア会議》
市のこと:おだわら地域包括ケア推進会議
地域のこと:圏域ケア会議
個人のこと:個別ケア会議
個人のこと:自立支援ケア会議
《地域課題を掘り下げ政策につなげる》
生き生きとした高齢期を過ごしていくためには、介護保険サービスなどに頼るだけでなく、自立した生活を送るための環境づくりも必要です。4つの「地域ケア会議」では、その実現を図るため、課題発見や地域づくり、そして政策形成を行っています。
「個別ケア会議」では、一人の高齢者が抱える課題について、その原因となった地域課題の検討を行います。「圏域ケア会議」では、そうした地域課題について、解決策を出し合ったり、市に取り組むべき課題を提言したりします。また、介護プランをさまざまな視点から検討して、必要に応じて地域に足りない資源などについて議論する「自立支援ケア会議」も行っています。そして、これら3つの会議から抽出された課題から、市全体で取り組む内容について、「おだわら地域包括ケア推進会議」で議論して、政策立案につなげています。
令和5年度には、会議全体で84の事例を検討。小田原に住む高齢者の未来を支える政策につなげています。
◆地域ケア会議をきっかけに始まった取り組み
《新しくサロンを立ち上げました》
・高齢介護課 鶴井 真人(まさと)
コロナ禍で集いの場がなくなってしまった、高齢者のケアプランについて、自立支援ケア会議で検討しました。「交流の場がないことで、デイサービスを利用したい」といった声は多く上がっており、地域で新たな集いの場をつくる必要性を感じました。
そこで、地域の皆さんや地域包括支援センター、社会福祉協議会などと議論を重ね、地域住民同士の交流や仲間づくりを促す場として、サロン「ちょっとそこまで」を開催することになりました。
・利用者…岡野 正則(まさのり)さん 恵子(けいこ)さん
地域包括支援センターの職員に案内されたのがきっかけで参加しました。「ちょっとそこまで」では、マージャンや体操、歌謡曲の歌唱などをして楽しんでいます。また、ここでは健康づくり課の職員が、血圧測定など健康チェックをしてくれます。年齢を重ね、家にこもることが多くなっていたため、良い外出の機会になっています。昔は、夫婦でマージャンやカラオケに行くことが多かったのですが、最近は行けてなかったので、毎月のサロンがとても楽しみです。
《企業と共に認知症対策に取り組みました》
・高齢介護課 海老原 楓
「認知症や独居の高齢者が地域で安心して暮らすための体制づくり」について、おだわら地域包括ケア推進会議で議論しました。企業や教育の現場など、幅広い分野との連携の重要性を認識しました。
そこで、高齢者の対応における困り事や工夫している点など、214の市内企業にヒアリング調査を実施。その結果を踏まえ、市内企業に向けて、認知症に関するシンポジウムや、高齢者の対応に関する講座の開催につなげました。
・地域包括支援センターしろやま 鈴木 等(ひとし)さん
企業へのヒアリングを行ったことで、飲食店やコンビニエンスストアなどとの見守り体制を構築するなど、新たなつながりが生まれました。金融機関では、電子化やウェブでの取引が進む一方で、高齢者の窓口対応は増えていると聞いています。金融機関を対象に講座を行ったことで、つながりができ一緒に高齢者の対応を行うきっかけになりました。
今後も、誰もが迎える高齢期をどのような小田原で暮らしたいか、地域全体で考えていきたいです。
【WEB ID】P29211
問い合わせ:高齢介護課
【電話】0465-33-1860
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