児童・生徒が毎日の登下校で使う道路、通学路。事故の発生を未然に防ぎ、安心して登下校できる環境をつくるための取り組みを紹介します。
松延小学校東側の道路を100メートルほど北に進むと、松延小学校入口交差点(徳延5-1北西角)に着きます。令和4年度まで、信号待ちのスペースが写真手前の横断歩道右から2本目のラインまで、車道へ食い込むように張り出ていました。
現在、張り出ていた信号待ちスペースは歩道側に収まり、ラバーポールも設置されています。自動車が曲がる際に、内輪差などで歩行者が巻き込まれてしまう危険性があったためです。自動車の運転手に信号待ちスペースの存在をアピールでき、安全性が高まりました。市教育指導課には、地域や学校から「子どもが巻き込まれる心配がなくなった」という声も寄せられたといいます。
◆さまざまな視点で確認
市では毎年、児童・生徒が安心して登下校できるように、学校、PTA、自治会などの地域住民、警察などの関係機関と連携し、通学路の危険箇所を確認する「合同点検」をしています。
信号機や横断歩道、規制の伴う道路標識や路面標示などは警察、センターラインやガードレールなどは道路管理者の国や県・市と、道路の管轄は複数の機関に分かれています。「通学路の安全のために何ができるのか、法的な観点や設置基準など、さまざまな視点で整理できるのが合同点検の最大のメリットです」と、市教育指導課の鈴木晃太指導主事は話します。松延小学校入口交差点も、合同点検を経て対策をした場所です。
◆報告を基に現地調査
年度初めに、各幼稚園・認定こども園、小・中学校から通学路などの危険箇所をリストアップしてもらい、市はその場所を把握します。令和5年度は、幼稚園・認定こども園から2園7カ所、小学校から28校168カ所、中学校から8校26カ所の報告がありました。これを受け、4日間かけて、小学校8地区(真土・八幡・城島・横内・吉沢・松延・金田・相模)15カ所、中学校1地区(神田)2カ所を、関係機関と合同で現地調査しました。
「現場では、交差点の見通しや、横断歩道の認識のしにくさなどを点検し、対策を関係機関と確認しました」と鈴木指導主事。その他の危険箇所は、関係機関で開く会議でハード面・ソフト面を問わず対策を検討し、安全確保のために必要な措置を、警察や道路管理者などに要望します。
◆事故発生を未然に防ぐ
直近では、松延小学校入口交差点の改良の他、歩行者との接触事故の危険性が高かった金目小学校東側の生活道路(南金目1100周辺)に、自動車の減速を促す路面標示を施しました。必要に応じて、通学路を示す路面標示「文マーク」の新設・補修や路側線の設置などを道路管理者に要望するなど、合同点検を経て対策を講じる例は多くあります。児童・生徒がより安心して登下校できる環境をつくるために、市は今後も取り組みを続けていきます。
◆地域で子どもを見守りましょう
ウオーキングや犬の散歩、買い物などをしながら子どもを見守る「ながら見守り」は、子どもたちが巻き込まれる事故・事件の発生や、事態の重大化を防ぐことにつながります。普段のライフスタイルに、見守る意識を少し加えるだけなので、誰でも取り組める見守り活動の一つです。一人一人が無理なく、できる範囲で、ながら見守りをしてみませんか。
問い合わせ:教育指導課
【電話】35-8120
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