◆三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)
おそらく日本で一番有名な鏡であろう三角縁神獣鏡。古墳時代のもので、卑弥呼(ひみこ)が中国から入手した鏡なんていわれることもあります。そんな三角縁神獣鏡が平塚市内でも発見されています。鏡が見つかった古墳の名前は、真土大塚山古墳。昭和10年(1935年)、古墳上での作業中に偶然発見されました。発見された鏡のレプリカを、博物館では2階の常設展示室で展示しています。
真土大塚山古墳は、工事の際に地形ごと削られてしまい、今はもうこの世に残っていません。どこにあったのか正確な場所も分からない状態で、古墳の形も前方後円墳だったという説もあれば、前方後方墳などのその他の形だったとする説もあり、古墳の大きさもさまざまな説がある、謎だらけの古墳です。
しかし、分かっていることはあります。それは平塚で発見されたこの三角縁神獣鏡は岡山県の備前車塚古墳、兵庫県の権現山51号墳、京都府の椿井(つばい)大塚山古墳で見つかった三角縁神獣鏡と同じ鋳型で作られた同笵鏡(どうはんきょう)であるということです。つまり、真土大塚山古墳に葬られた人物は近畿地方の首長たちと関わりのあった人物であることが判明しました。
残念ながら本物は東京国立博物館に所蔵されているので、なかなか見る機会はありません。当館でぜひレプリカをご覧ください。
問い合わせ:博物館
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