◆高血圧と向き合う
市の高血圧予防対策に専門家の立場から協力いただいている、湘南いいだハートクリニック(公所436-7)の飯田吉則医師に話を聞きました。
◇サイレントキラー
高血圧症は、脂質異常症・高尿酸血症・糖尿病と並ぶ、生活習慣病の一疾患です。生活習慣病を放っておくと動脈硬化が進行していきます。初期は症状を伴わないことが多く、気付いたら心筋梗塞や脳梗塞、慢性腎臓病を発症するため、サイレントキラーと呼ばれています。
まずは自分の血圧を知ることが大切です。血圧は多くの環境要因の影響を受けるので、医療機関や健康診断での血圧以上に、家庭での血圧を重視します。可能であれば、家庭で毎日起床後と就寝前に2回ずつ測定するのがお勧めです。元々、血圧測定習慣のない方は、血圧測定そのものがストレスになってしまう場合もあります。まずは週2・3回から無理のない範囲で始めてみましょう。
◇治療の土台は減塩と運動
高血圧の治療は、減塩と運動療法から始まります。日本のガイドラインで推奨されている一般的な減塩療法では、塩分摂取量の目標値は1日6グラム未満です。中には厳格な減塩が好ましくない方もいるので、身近なかかりつけ医に相談することが大切です。
運動療法では、週に3回以上、1回20~30分連続して散歩や体操などの有酸素運動をすると効果を得られるといわれています。運動強度としては、軽く汗ばんで息が「ハァハァ」する程度の「ややきつい」と感じる負荷量を目安にしてみてください。
◇薬を飲み続けなければいけないという都市伝説
減塩と運動療法でも血圧コントロールが難しい場合に、薬での治療もします。患者さんから「一度薬を始めるとやめられないと聞くので飲みたくない」と言われることがあります。年齢とともに動脈硬化は進むので、血圧もそれに伴って上がっていくことは避けられません。しかし、減塩と運動療法に積極的に努めて、薬が不要になった患者さんも当院では少なからずいらっしゃいます。重要なのは、『血圧を患者さん個々の適正な値にコントロールする』ことです。薬を飲みたくないので高血圧をそのまま放置するのではなく、薬を飲まずに血圧を適切にコントロールするにはどうしたら良いかという点から考えてみると、高血圧との付き合い方がまた変わってくるのではないかと思います。
◆ライフステージと高血圧予防対策
市では、一人一人が生涯にわたって健やかで心豊かに生活できるよう、継続的に健康づくり・食育を推進しています。
◆健康・食育フェスタ
健康に関心を持つきっかけづくりとなる体験型イベントです。
日時:10月27日(日)午前10時30分~午後3時
(2)(3)は荒天中止。
場所:ジアウトレット湘南平塚(大神8-1-1)
(1)各種測定や食のブース
血圧や血管年齢、脳年齢などの測定や、さまざまな健康チェックができます。
(2)湘南ベルマーレ親子運動教室
時間:午前11時~11時40分
対象:幼児~小学校低学年と保護者20組(当日先着順)
(3)足裏チェックで気づくあなたの癖や体の使い方
ストレッチ・ヨガで健康改善しませんか。
時間:午後1時~1時30分・2時~2時30分
定員:各時間帯30人(当日先着順)
問い合わせ:健康課
【電話】55-2111
◆ご当地体操「くすの木体操」で楽しく健康づくり
「アルプス一万尺」の曲に合わせて、太ももを上げたり股関節を広げたり、簡単な六つの動きを繰り返す有酸素運動です。リズムに合わせて楽しく体を動かします(写真)。
※写真は本紙をご覧ください。
時間:午後1時30分~3時
対象:市内在住の方
持ち物:飲み物・タオル・バスタオルまたはヨガマット・室内用運動靴、お持ちの方は健康サポート手帳
◇くすの木体操講習会
日程:10月31日(木)
場所:富士見公民館(中里11-21)
◇くすの木体操教室と高血圧予防の話
体操の前に高血圧予防の話をします。希望者は血圧測定ができます。
日程:11月1日(金)
場所:松が丘公民館(東中原2-17-19)
◇ボランティアの健康推進員が中心となって開いている、くすの木体操教室。昨年から健康課保健師による高血圧予防講習もしています。
「体操をする前に血圧測定をしたり、クイズ形式で分かりやすく血圧の知識を得られたりするので、参加者から好評なんです」と、健康推進員のくすの木体操プロジェクトリーダー・鳥海貞子さんは話します。同じく健康推進員の向井妙子さんは、「私自身は、当たり前のように朝晩血圧を測っていましたが、ほとんどの方は日常的に測っていないことを知り驚きました。くすの木体操で運動の大切さを、高血圧予防講習で自分の血圧を知ることの大切さを学べますよ」と参加を呼び掛けます。
問い合わせ:健康課
【電話】55-2111
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