◆乳がん看護認定看護師
乳がんに伴う看護技術と知識を持ち、患者さんのさまざまな悩みに寄り添い、支援などをします。
◇相原理恵さん
女性病棟への異動がきっかけで、乳がん患者さんと関わるようになりました。乳がんの患者さんは20代から90代の方までいて、年代によっていろいろな悩みを抱えています。もっと知識や技術を身に付けて支援していきたいと思い、乳がん看護認定看護師の資格を取ろうと決めました。
・市民病院初の乳がん看護のエキスパート
「認定看護師」は看護師として5年以上の実践経験があり、日本看護協会が定める教育を経て、認定試験に合格することで取得できる資格です。21の認定看護分野に分かれていて、市民病院では12分野19人の認定看護師が分野ごとの専門性を発揮して活動しています。
私は市民病院では初の乳がん看護認定看護師です。患者さんの治療選択や心理面・ボディイメージの変容などをサポートします。多様化・複雑化している乳がん治療の知識を日々アップデートするのが大変である反面、学んだ知識を患者さんに還元できることにやりがいを感じます。患者さんの悩みが一つ解消されたり、一歩前に進めたりした時の晴れやかな表情を見られた瞬間は喜びを感じます。
・些細(ささい)なことでも…
患者さんが話しやすい環境を整えたいと思っていて、穏やかな声のトーンや表情に気を付けています。また、悩みを打ち明けるのは勇気がいることだと思うので、こちらから問いかけることを心掛けています。
◆言語聴覚士
話す・食べることに不自由を抱えている人の検査や、機能を回復するための訓練・指導をします。
◇下川季未さん
言語聴覚士を知ったのは、高校生の時に参加した孤児院でのボランティアで、小児のリハビリに携わった時です。看護師の母親を通して言語聴覚士の方に出会えたことも、目指すきっかけとなりました。
・急性期から回復期につなげる
「言葉を失う」「口からご飯を食べられなくなる」というのは、相当な精神的ダメージを受けますし、その人の人生を左右してしまいます。市民病院は病気やけがをして間もない方や、病状が安定せず集中的な医療を要する方に対応する急性期病院です。患者さんの症状が安定する回復期までの限られた時間ですが、言葉の訓練をしたり、飲み込む力を鍛えたりします。回復期につなげる大切な時間を担っていることを意識しています。
飲み込みの障がいで、鼻から管を入れていた方が繰り返し訓練をして、口からご飯を食べられるようになったり、言葉が話せなかった方が少しずつ話せるようになっていったりする姿を見るとうれしくなりますし、やりがいを感じますね。
・つらさを理解する
言語聴覚士は他のリハビリと違って、個室での対応になることが多いです。他では話しにくいことでも話しやすい環境があるので、患者さんの訴えはよく聴きたいと思っています。また、患者さんは見た目では障がいがあると分からないために、周囲に理解されにくいことがあります。そういうつらい気持ちに寄り添ったサポートをすることを心掛けています。
◆助産師
お産の介助、妊産婦への保健指導、産後の新生児や乳児のケアなどの他、思春期や更年期など女性の健康を支援します。
◇吉田淳さん
看護学校の実習で分娩(ぶんべん)を見学して感動しました。看護学や産科などさまざまな分野を学ぶ中で、人間の身体の神秘性に興味を持ち、周産期のプロフェッショナルとして、助産師を目指しました。
・気軽に相談を
私は主に妊娠・分娩・育児に関わっています。お母さんには安心快適なマタニティライフ・出産・育児生活を送ってほしいと思っています。不安や心配なこと、医師には聞きづらいことなどは、妊娠期間中の個別保健指導や母親学級、入院中、産後2週間健診などで気軽に助産師に相談してほしいです。母乳外来は、当院で出産した方以外の相談も受けています。
・命の誕生に立ち会う責任
市民病院は、平塚・中郡地域で唯一の産科・小児科の2次救急を担う病院です。24時間、産婦人科・小児科医師が在駐し、医師・助産師・新生児集中治療室(NICU)の看護師が連携を取っています。お母さんと赤ちゃんの命を守り、安全に出産できるよう、いざという時にすぐ対応できる体制を整えています。産科病棟は全員が助産師であり、新生児蘇生法専門コースの資格を所有しています。助産に関わる高度な知識と技術を認証されたアドバンス助産師も多く在籍しており、皆さまが安心して出産に臨めるようにサポートします。
今まで、多くの出産に立ち会わせていただいてきました。同じお母さんでも赤ちゃん一人一人のストーリーがあり、全てが貴重な瞬間です。時には悲しいお産もありますが、次の妊娠では、無事に出産され赤ちゃんと一緒に退院された姿は忘れられないですね。
責任の重さは強く感じます。お母さんと赤ちゃんの命を守る重要な立場であることを忘れず、今後も支援していきます。
問い合わせ:医事課
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