◆危険な暑さを事前にお知らせ
広域的に危険な暑さになり、人の健康に重大な被害が生じる恐れのあるときに「(2)熱中症特別警戒アラート」が発表されます。発表条件を満たす日は、救急搬送者数の大量発生を招き、医療の提供に支障が生じ得る危険が高いです。「(1)熱中症警戒アラート」との発表基準・方法の違いなどを確認しておきましょう。
◆クーリングシェルターを指定
クーリングシェルターは、各施設の休館日を除く10月23日(水)まで、熱中症特別警戒アラートの発表時に開放する市の指定暑熱避難施設です。各施設の入り口などに、周知ポスターが貼ってあります。飲み物は持参してください。施設の温度調整はできません。受け入れ可能人数など、詳しくは市ウェブをご覧ください。
指定施設:市役所本館・保健センター(東豊田448-3)・央公民館(追分1-20)・金目公民館(南金目966)・旭南民館(山下2-16-1)・中央図書館(浅間町12-41)
◇民間施設を管理する方へ
指定基準などがあります。指定に協力いただける施設がある場合、健康課までお
問い合わせください。
問い合わせ:健康課
【電話】55-2111
◆高齢者・子どもを気に掛けて
熱中症になりやすい熱中症弱者は、自らの対策だけでなく、周囲の声掛けなどが重要になってきます。特に注意が必要なのが、高齢者や子どもです。仲内さんは「のどの渇きや暑さを感じにくい高齢者や、自分で予防行動をとるのが難しい子どもの対策は、周りが気に掛けなければいけません」と注意を促します。
加齢によって体内の水分量が少ない高齢者は脱水症状に陥るリスクが高いです。「寝ている間に脱水状態になる場合も多いんです。一人暮らしの高齢者が身近にいる場合は、積極的に声を掛けてもらいたいです」。また、子どもは大人と比べ汗腺が未発達で、体温調整がうまくできません。「自分で不調を伝えるのが難しい未就学児は、屋内外にかかわらず保護者らが、顔の赤さや汗のかき方などを観察して、水分補給や着替えなどの対応をすることが大切です」。
◇短時間で体温が急上昇
学校や保育園などが夏休みを迎える子どもたち。一緒に過ごす時間が増える家族の対応を、仲内さんは気に掛けます。「子どもは環境による温度変化の影響も強く受けます。高温度の環境ではじっとしているだけで体温が急上昇してしまうんです」と説明します。
特に危険性が高いのが炎天下の車内。真夏日にエアコンを止めると、わずか15分で車内は暑さ指数31度を超えます。子どもの体温も急上昇。命に関わる状況です。「寝ているから、短時間だから、日陰に止めたから、という理由で子どもを車内に残すのは大変危険です」と仲内さんは訴えます。また、晴れた日の外出も要注意です。身長の低い子どもやベビーカーの乳幼児は、地面と距離が近いため、照り返した熱の影響を大きく受けてしまいます(右囲み)。「高温度の環境が子どもに与える影響を考え、対策を徹底してください」と力を込めます。
◇人材育成に注力
熱中症弱者への十分な声掛けなどは、周囲の協力が必要不可欠。しかし市が直接協力を呼び掛ける範囲には限度があります。そこで市が力を入れているのが、市内で熱中症対策の普及・啓発活動ができる人材の育成です。大塚製薬と連携して、令和3年度から講座を開いています。昨年度までに84人が受け、「熱中症対策アドバイザー」に認定されました。「自治会や子ども会、高齢者施設の他、企業など、幅広い方に受講してもらえました」と仲内さん。「知識をイベントで役立てたり研修会を開いたりしたという報告が届いています」と受講者の活躍を笑顔で語ります。
本年度は、大塚製薬主催の新コンテンツ「熱中症対策アンバサダー養成講座」を5月17日に開講。同社の講座は本年、県内では平塚市で先駆けてあり、33人のアンバサダーが生まれました。仲内さんは、アドバイザーやアンバサダーを通して、各地域に啓発が広がることを期待します。「皆さんの協力を得ながら、市も啓発を進め、熱中症による救急搬送者数の減少につなげていきたいです」。
◇照り返す熱で気温上昇
晴れている日は、地面に近いほど気温が高くなります。例えば、身長150センチの高さで測った気温が約32度のとき、身長の低い子どもやベビーカーの乳幼児の高さになる約50センチでは気温は35度以上。帽子をかぶせるなど、十分な対策をしたで、子どもの体調を気に掛けましょう。
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