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市長コラム

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神奈川県平塚市

◆身近な環境の変化
・落合克宏

気温が高く雨も多いと、植物がぐんぐん成長します。時間のあるとき、汗をぬぐいながら庭の草刈りをしていると、昔はなかった雑草を見掛けるようになりました。
自然環境の変化による影響からなのか、雑草の中に繁殖力の強い外来植物が、増えているように感じます。ポピーに似たナガミヒナゲシ、とげのある堅い実のメリケントキンソウ、草丈が2メートルにもなるアメリカオニアザミなどは、繁殖力が強く、生態系への影響が心配される厄介物です。
私が小さい頃、庭や畑の周り、学校までの道端にあった日本古来の植物にも変化が表れています。例えば、ナズナは実の形の丸い外来種が、カントウタンポポはセイヨウタンポポとの雑種が多くなりました。外来植物の侵入など、周りの環境の変化により、在来植物は減少の一途をたどっているのです。
市博物館の調査によると、在来植物である市民の花「カワラナデシコ」は、平成11年6月に高根地区で自生が確認されたのが最後です。かれんに咲くピンクの花が、本当にきれいだったのを覚えています。市内で自生するカワラナデシコは、目にしなくなったものの、標本として残されています。7月20日から始まる博物館の特別展「標本で! 植物観察」で見られます。所蔵する植物標本の中から、身近な植物など、約200点が展示されるそうです。姿を消した植物などを、昔を懐かしみながら、じっくりと楽しみたいです。皆さんにとってこの特別展が、地域の環境の変化を感じ、自然の大切さを考えるきっかけになったらうれしく思います。

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