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自治体の皆さまへ

〔命を守るために〕公助・共助・自助で、安心・安全を

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神奈川県 横須賀市

日本に接近・上陸する台風が多くなるこの時期は、大雨、洪水、暴風、高波、高潮などの風水害の発生リスクが上昇。
備えについて、市職員が語ります。

■明日の安心をつくる、横須賀市の備え
◇より良い環境を整備 安心の避難所へ
さまざまな人と同じ空間で共に過ごす避難所では、授乳や着替えのスペースを確保できないことを理由に、小さなお子さんがいる人や女性などから「避難したくても避難に踏み切れない」という声が全国的に多く届いています。
市では、新型コロナウイルス感染症のまん延をきっかけに、個人のプライベートな空間が確保できるテントを導入。感染症対策に加え、誰もが使いやすく、躊躇(ちゅうちょ)せずに避難できる場所として、テントの活用は非常に有効であると考えています。
また、暑さや寒さにも対応できるよう、各避難所の環境整備を進めているほか、熱中症対策として、扇風機や瞬間冷却剤などを備蓄。停電が発生した際には、自家発電設備やポータブル電源で電力を確保しています。

◇予測できる風水害 早めの備えを
風水害は地震と異なり、予測可能なことが多いため、早めの情報収集・適切な避難が有効です。また、災害リスクマップで自宅周辺の特徴、想定されるリスク、避難所の位置などを確認しておくことで、いざという時の適切な避難行動に結びつきます。
安全な場所にいる人まで避難所に行く必要はなく、安全確保に必要な行動は、家族構成や生活状況などにより異なります。
日ごろから、身近な人と「いつ」「何をするのか」を話し合い、避難計画を作成しておくことが大切です。

◇地域へのサポート 「共助」を推進
町内会・自治会単位で結成される自主防災組織に対し、食料・携帯トイレなどの備蓄品や、防災器材の購入にかかる費用の一部を補助。防災訓練を実施した際には、報奨金を支給しています。
また、職員が、市の防災対策に関する説明や意見交換などに伺う「まちづくり出前トーク」も実施。ぜひご活用ください

■地域の力は防災の要
◇地域と共に進める「災害時要援護者支援プラン」
災害から自らを守ることが困難な、高齢者や障害のある人などを「災害時要援護者」といいます。
要援護者に該当する人は、市へ情報を登録。その情報は町内会・自治会、民生委員児童委員に提供され、消防団・市職員とともに安否確認などを行えるよう、対応や計画が検討されます。
要援護者の逃げ遅れを防ぐため、この計画を基に、地域と連携した訓練を実施しています。

◇大津町4丁目町内会長 鈴木 満さん
支援の要否などが一目でわかるよう、色分けしたタスキを対象者宅に掲示。地域が一体となって「顔の見える関係」を築けていたため、訓練がスムーズに実施できました。日頃の活動の大切さを実感しました。

■豊富な経験と実践が、未来を守る
◇現場に勝る訓練なし 現場での教訓は熱いうちに生かす
能登半島の地震や熱海市の土石流災害など、過酷な土砂災害現場では、他市町村の消防本部と連携して救助にあたりました。
現場で得られた経験・教訓は、消防局の活動基準や装備、訓練などにすぐに取り入れるようにしています。最近では、訓練施設に掘った、深さ約一メートルのくぼ地に水を張り、実際の土砂災害現場に近い状況を再現。多量の水を含んだ土のぬかるみで、重機を使った訓練を行っています。
普段の消防活動では、深い泥の中を経験する機会がないため、災害派遣の経験が少ない若手職員には、このような実践的な訓練が有効だと考えています。また、熱海市の土砂災害の現場では、狭い道に進入できる重機がなく、手作業で泥をかき出しながらの救助だったため、非常にもどかしい思いをしました。その経験や横須賀の地形を踏まえ、狭い道でも有効な小型重機が消防団長から寄贈されました。迅速に災害現場に出動できるよう、二種の重機(油圧ショベル・ホイルローダー)を重機搬送車に常に積載しています。この体制は、県内随一です。

◇ひとりでも多くの命を救うため 新たなツールの活用
現場隊員は、身体に着用して撮影できる小型カメラや、強い雨や風でも飛行できる無人飛行機(ドローン)を使って、現場の様子を即時映像で本部へ共有。時間差のない映像により、的確な判断や対応、適切な応援要請が可能になります。土砂災害の現場でドローンを活用することで、土砂崩れの全体像を俯ふかん瞰できます。また、崖上部のひび割れの様子など、地上からでは見えない箇所も確認でき、より早い救助につながります。土砂災害の現場は、再崩落の危険性があり、火災の現場以上に危険が伴うため、隊員一人ひとりの安全管理の徹底が不可欠です。その点でも、より実践的な訓練やシミュレーションを重ね、いざという時に自分の命も守れるよう、隊員のレベルアップを図っています。

■共助を支える消防団
◇地域の安全・安心のために
消防団は、消火活動だけでなく、地震や風水害などの際の救助活動や避難誘導など、地域の安全や安心に貢献。風水害の際は、河川などの警戒はもちろん、土のうを準備して適切に積む作業も。
また、避難や救助を行うとともに、災害の復旧作業も支援。過去に崩落した場所や高齢者が住む場所など、地域の地理や特性も深く知っています。その経験と強みを生かし、共助を支えています。

◇第1分団(下町) 飯田 惣也さん
地域を守るという使命や責任にやりがいを感じています。また、日々の訓練や活動などを通じたさまざまな出会いや経験が、自分を成長させてくれています。
縁の下の力持ちとして、これからも地域の防災に貢献していきたいです。

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