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コラム「家庭教育を考える」~地域でささえる・地域へつなぐ~

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神奈川県箱根町

■ラベリング効果に気をつける
ラベリングとは、「君は頭がいいね」とか「君は喋るのが少し苦手そうだね」というようなラベルを人に貼ることです。
人はラベルを他者から貼られることで、それが嘘か本当かにかかわらず、その通りに振舞おうとする心理学の理論をラベリング効果と言います。
例えば、子どもに対して親や周囲の大人が「男の子なんだから泣いてはダメ」、「女の子なんだから乱暴な言葉遣いはやめなさい」など、性別を理由に行動や言動の制限や方向付けなどをすると、それによって「男の子は泣かないもの」「女の子は言葉遣いが丁寧であるべき」などの男性像、女性像につながっていくのです。
アインシュタインは、幼少期に、学校の先生から「知的障害がある」と言われ、九歳になるまでめったにしゃべることがなく、アルファベットも正確に書けなかったそうです。しかし、アインシュタインの両親は息子の数学のずば抜けた才能を信じて学校の評価から幼いアインシュタインを守り、誉め言葉をシャワーのように浴びせて育てたそうです。
彼が学校からのネガティブなラベルを貼られたまま育っていたら、偉大な科学者は生まれなかったかもしれません。
箱根町の子どもは、小さいころから、そのままの人間関係が長く続くので、一旦貼られたラベルは、長い間剥がすことができにくく、子どもの成長に与える影響が大きいと考えられます。ですから、自分の子どもに限らず、どの子に対しても「この子はこういう子だ」と決めつけた悪いラベルを貼らずに、良いラベルを貼ってあげられるよう、子どもにかける言葉には気をつけることが大切です。
例えば、お友達とのトラブルがあり、子どもが「Aちゃんが○○した」と訴えてきたときに、子どもの気持ちに寄り添って「Aちゃんが○○したことが嫌だったのね」と言うのはいいのですが、「Aちゃんはいじわるだね」などと、お友達にネガティブなラベル貼りをしないようにしたいものです。何気なしに大人が貼ったラベルが、やがてその子に伝わることで、その子自身の「いじわるなAちゃん」づくりにつながってしまう可能性があるからです。
箱根のすべての子ども達の健やかな成長を、みんなで支えていきたいですね。

照会先:箱根町教育相談センター(石井)
【電話】85-7776

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