人口減少や高齢化によって住む人がいなくなり、増加傾向にある空き家。流通を促進させ、利活用することで、逗子に新たな人や仕事をもたらすなど地域を活性化させる資源になります。
■インタビュー 空き家の利活用は早めの相談が大事
誰も住まず維持管理するだけの空き家を、誰かが活用できる場所にするためのポイントを、市の空き家アドバイザーの藤原さんに聞きました。
◆空き家アドバイザー 藤原拓郎さん
県宅地建物取引業協会 鎌倉支部会員
(株)サンホーム代表取締役
コロナ禍でテレワークが普及したこともあり、自然豊かで閑静な環境を求めて逗子に移住を希望する人や、逗子でビジネスを始めたいと考える人が増えています。住宅や事業用として市内の物件の需要は確実に高まっていて、空き家は大きな資源です。
家は、使われなくなると急速に老朽化します。一方、空き家となっても早い段階で利活用の方向性を決めれば、賃貸や売却、または改修によって収益を見込むこともできます。
何から始めたらいいか分からない人は、まずは相談してください。市の空き家ワンストップ相談窓口は、いつでも気軽に相談できますし、私たちアドバイザーもぜひ上手に活用してほしいです。リフォーム費用やその後の家賃の見込み、残った家財道具や建物の処分にかかる費用など、専門家の視点からアドバイスします。
▽空き家アドバイザー派遣制度
豊富な知識と経験を持つ宅建士や行政書士が、実際に空き家を確認し、アドバイスします。
▽空き家ワンストップ相談窓口
市役所2階にあり、利活用だけでなく、相続や終活の相談もできます。
◆活用事例の紹介 空き家バンクで見つけた!私のストーリー
空き家の所有者と利用希望者をつなぐ空き家バンクを通して、活用へとつながった事例を紹介します。登録物件は随時募集、物件一覧も公開しています。
▽住宅として利用
ジュリアン・ジョリベさん(新宿)
以前は、仕事に便利な都内で生活していましたが、自然豊かな逗子に移り住みたいと物件を探していました。条件に合う家がなかなか見付からない中、出会ったのがこの家です。広さや周りの環境にひかれ、すぐに申し込みを決めました。1年かけて自分でリフォームも行い、好みの家に仕上げることができ満足しています。
▽事務所として利用
(株)GLOCAL CEO 加藤学さん(逗子)
全国の空き家や遊休施設を利活用し運営を行っていることもあり、自社でも空き家を滞在できる事務所として利活用したいと考えていました。ここは運営している施設からも近く、駅からのアクセスも良いので、とても便利です。ランチを自炊できたり、書類や備品の収納もしやすかったり、快適な職場環境で気に入っています。
◆空き家の流通を後押し 充実の補助制度
▽空き家流通促進補助モデル事業
流通への課題がある家屋について、売却までにかかる費用を最大70万円補助します。
問合せ:まちづくり景観課
▽ふれあい活動の拠点整備の支援事業
空き家を市民活動団体に無償で貸す所有者に、固定資産税・都市計画税相当額の交付金を交付します。上限額は20万円です。
問合せ:市民協働課
▽利用者コメント
モデル事業を利用したKさん(沼間)
接道がなく建て替えができないため、どうしたらいいか困っていた家屋。空き家流通促進補助モデル事業の決定を受けたことでスムーズに残置物を整理し、古家付きで売却することができました。思い入れのある家が、また活用されることになってうれしいです。
問合せ:まちづくり景観課
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