■大規模災害時における地域コミュニティの役割
大規模災害が発生すると市役所などの公的な防災機能が著しく制限され、庁舎そのものが被災すると機能不全に陥ることもあります。
令和6年能登半島地震では、道路の損壊や土砂崩れが多発したことにより、緊急消防援助隊の多くが発生72時間以内に被災地にたどり着くことができませんでした。勝山市には複数の交通ルートがあるものの、降雪時期に大規模な災害が発生すると、能登半島地震と同様に、緊急消防援助隊の到着が遅れることも予想されます。
「東日本大震災における自主防災組織の活動事例集」によると、日ごろから住民同士の交流が活発に行われ、コミュニケーションをとっていた地域が、災害時における住民の避難誘導、救助や消火、避難所の運営などの活動がスムーズに行われたと報告されています。
このように大きな災害時における地域コミュニティの果たす役割は大きく、日ごろから顔の見える関係を築くことで、大規模災害が発生した際にも、地域で支え合うことができます。
■地域コミュニティが抱える課題
勝山市の人口は10年後に2万人を割り込み、高齢化率も40%を超えると推計されています。人口減少にあわせて高齢化が進むと地域の担い手不足がますます深刻になり、村祭りや敬老会、農地などの保全活動、自衛消防など地域活動の継続が困難になってくることが予想されます。
また活動が停滞することにより、地域住民間の連帯感が希薄化し、安全・安心が確保される地域社会の基盤的機能の低下が危惧されています。
■地震ハザードマップ
揺れやすさや建物の倒壊危険度、事前にできる安全対策、地震発生時の行動などが確認できます。
■地域コミュニティ活性化のメリット
私たち市民が、安全・安心に暮らすためには、地域コミュニティの活性化が大切です。地域コミュニティの活性化には数多くのメリットがあります。
◇災害時の備えになる
日ごろから地域住人同士が顔の見える関係でいることで、災害などいざというときの備えになります。
◇防犯対策になる
地域の見守りや支え合いがあることで、治安維持や防犯につながります。
◇子どもの健やかな成長につながる
子どもの見守り活動を通じて、子どもの健全な成長につながります。
◇日々の生活の充実につながる
地域の人との交流の機会があれば、困りごとを相談したり助け合ったりすることができ、またイベントなどを通じて充実した時間を過ごせます。
◇日々の生活の不安を地域で支え補え合える
高齢者の一人暮らしなど、日々の生活に不安を抱える方を地域で守ることができ、支え合うことができます。
■これからの地域コミュニティの形
現在の地域活動は、区の自治会(地区子ども会や地区防災組織など)を中心に、区長会、婦人会、壮年会、各種まちづくり団体などの各種団体がそれぞれ活動していました。
しかし少子高齢化が進み担い手が不足する中、これまでのような各区の自治会活動を今後も継続していくことが難しくなってきています。
大規模な災害はもちろん地域課題の解決のためには、各区の自治会の枠組みを超えて支え合わなければいけません。
今後は、一つの区の自治会だけでなく、隣の区の自治会と協働で活動したり、小学校単位で連携して地域課題の解決に取り組んだりするなど、新しい枠組みでの活動が求められています。
その活動は、必ず地域全体の活性化につながり、10年後、20年後も地域の皆さんが安全・安心に、そして生きがいを持って暮らしていける地域づくりに繋がります。
皆さん、各区の自治会の活動の継続や地域の自然・景観、歴史・伝統・文化を次世代に残すことについて一度考えてみませんか?
◇市の取り組み
勝山市では、地域をサポートするための担当職員を配置したり、まちづくり会館を拠点に地域の活性化を図る活動に取り組んでいます。
■これからの地域に求められているのは~区の枠を超えた 地域コミュニティの形成
・区長会
・民生・児童委員
・老人会
・地区社協
・学校
・PTA
・各種法人
・各種任意団体
・まちづくり協議会
・集落営農
・子ども会
・防犯隊
・自主防災組織
・各地区自治会
<この記事についてアンケートにご協力ください。>