池ヶ原湿原は六呂師高原の標高600mに位置する湿原です。ミズチドリやカキランなど、希少な植物が多数生育しており、福井県の「守り伝えたい福井の里地里山30」に選ばれています。
しかし、近年になっていくつかの原因で湿原植物がその数を減らしました。原因のひとつは「ヨシ」や「ハンノキ」の繁茂だと考えられています。ヨシは高さ2~3mになるイネ科の多年草、ハンノキは湿地性の樹木ですが、昔はよしずの材料として周辺住民がヨシの刈り取りを行い、利用することでヨシやハンノキの生長は抑えられていました。ところが、生活様式が変化して利用されなくなったため、ヨシやハンノキが繁茂し、湿原植物の生育環境が悪化したのです。
また、周辺の開発に伴い、外来種のオオハンゴンソウが生育するようになりました。このため、湿原植物の生育地がオオハンゴンソウに奪われることが心配されています。
そこで、池ヶ原湿原保全・活用協議会では、住民や平泉寺小学校の皆さんの協力を得ながら保全活動に取り組んでいます。今年も6月15日にハンノキが枯れるように樹皮を削り落とす作業と、オオハンゴンソウの掘り取りを行いました。オオハンゴンソウは根を残すとそこから復活するため、スコップ等を使って根ごと引き抜く必要があります。太陽が照り付ける中、総勢70人以上の方が汗を流してくれました。
10月には保全活動の一環として「ヨシ刈り」を実施する予定です。ぜひ皆さんもご参加ください。
問合せ:池ヶ原湿原保全・活用協議会
(事務局:福井県自然保護センター)
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