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JCHO-Column

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福井県勝山市

■失神の原因は?
福井勝山総合病院 循環器内科
診療部長 佐藤 岳彦

病院で診療をしていると、失神で救急搬送、もしくは脳神経外科、循環器内科外来を受診される方がいらっしゃいます。失神とは、脳全体に十分な血液が供給されなくなるために、一時的に意識を失う症状のことです。突然意識を失い倒れますが、数秒から数分程度で速やかに、自然に意識が回復します。すぐに元通りに戻るため、軽視される場合もあるかもしれませんが、失神により転倒、転落などで外傷を負ったり、入浴中の場合は溺れてしまったり、車の運転中に起きると交通事故により、自分や他人の命が危険にさらされることもあります。
失神の原因は、反射性、起立性低血圧、心原性に分かれます。反射性失神は長時間にわたって立っていた時や興奮した時、ストレスなどがきっかけになり一時的に血圧や脈拍が低下して起こります。また、ある特定の状況(排尿・排便時、激しい咳、嚥下、爆笑など)で起きる場合もあります。起立性低血圧は立ち上がった直後に血圧が低下し、心臓から脳に押し上げられる血流が低下して起こります。心原性失神は不整脈、心臓弁膜症などが主なもので、脈が遅くなる不整脈の場合、数秒程度心臓が止まっていると気を失います。また、著明な頻脈の場合も心臓が血液を効率的に送り出せなくなります。また、不整脈の原因として心筋梗塞などが原因となる場合もあります。
失神の症状のある患者さんには、心電図、心臓超音波検査、不整脈を疑う場合は24時間心電図(外来でできます)や植え込み型心電計(小さな機械を皮膚の下に埋め込みます)を使用する場合もあります。反射性失神を疑う場合はヘッドアップティルト試験(体を起こした状態で数十分間、血圧や脈拍などを測定します)なども行う場合があります。
失神症状を放っておくと危険な場合もありますので、このような症状のある方は一度循環器内科を受診してください。

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