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紫式部ゆかりの地PR事業連載企画 第5回たこの呼(よ)び坂(さか)

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福井県南条郡南越前町

平安時代、紫式部は父・藤原為時(ふじわらのためとき)に付き添い越前国府へ向かいました。そのルートには、現在の南越前町内も含まれているとされますが、1年後に京へ戻る際も町内を通ったといいます。単身帰京する際にわざわざ大谷浦を訪ねたともいわれ、また一説には敦賀の松原客館に宋国人を見物するために、大谷浦に来てここから舟で敦賀に渡ったとも伝わっています。今回はそこに所在する「たこの呼び坂」を紹介します。
たこの呼び坂は、大良坂の近くにある坂で(大谷浦地籍)、「たこ坂」を挟んで両側に「たこ谷」が現存しています。『紫式部集』では、「都の方へとて、かへる山越えけるによび坂といふなるところのいとわりなきかけじにこしもかきわづらふをおそろしと思ふに猿ましの木葉の中よりいとおほくいで来れば」(「都の方へ帰るので、鹿蒜山を越えた時、呼坂というとてもひどく険しい山道で輿も担ぐのに難儀するのを恐ろしいと思っていると、猿が木の葉の中からたくさん出て来たので」)と前書があり、次の歌が登場しています。

ましもなほ 遠方人(おちかたびと)に 声かはせ われ越しわぶる たこの呼坂(よびさか)
(猿たちよ、遠く都へ帰ろうとしているたこの呼び坂で輿かつぎに難渋している私達に、声をかけ合って力づけておくれ)

たこの呼び坂は、9月29日(日)の「紫式部ゆかりの地巡りバスツアー」で巡りますので、参加される方はお楽しみに!

■10月19日(土)に南越前町で「紫式部の旅」が再現されます
10月18日(金)~20日(日)にかけて、紫式部ゆかりの地で紫式部と父・為時の一行が通った道を、当時の衣装をまとった参加者が巡り、「紫式部の旅」が再現されます。
南越前町では、19日(土)の午後に鹿蒜神社(南今庄)と今庄宿で行列がつくられます。紫式部が目にした景色に想いを馳せながら、現代によみがえる国司下向の旅を見学しませんか。

○10月18日(金)
・宇治市(午前)
儀式:出立の儀(宇治上神社)
行列:宇治上神社~宇治公園
・大津市(午後)
儀式:石山寺参詣、船出の儀
行列:石山寺境内

○10月19日(土)
・敦賀市(午前)
儀式:境迎えの儀(氣比神宮)
行列:氣比神宮境内
・南越前町(午後1時~午後3時30分)
儀式:鹿蒜神社参詣
行列:今庄宿(稲荷神社登り口~公徳園)
※「きとっけ今庄宿の市式部ふぇす」も昭和会館前で開催(午前11時~午後3時30分)

○10月20日(日)
・越前市(午後)
儀式:着任の儀(越前市役所庁舎前広場)
行列:総社大神宮~越前市役所
※「越前パレード」も関連イベントとして越前市会場で開催(午後1時~午後4時)

問合せ:紫式部プロジェクト推進協議会
【電話】0778-22-3016

さて、この連載も今回で最終回となりました。6月号(5/24発行)から、紫式部と南越前町とのかかわりについて取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。これをきっかけに、南越前町の歴史や文化財について少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

問合せ:教育委員会事務局
【電話】0778-47-8005

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