◆400年の歴史を訪ねて 丸岡藩めぐり
市内にある丸岡藩のゆかりの地は、丸岡城下町だけにとどまりません。400年前の人たちの記憶とともに、めぐってみましょう。
◇外国船に備えるための砲台 丸岡藩砲台跡(まるおかはんほうだいあと)
この砲台は、アメリカのペリーが浦賀(うらが)に来航する1年前に、丸岡藩が沿岸警備のために建設。敵の射撃をよけ、味方の射撃をしやすくするためか、高さ1.8mの壁がつくられています。この先に見えるものとは…
場所:坂井市三国町梶
えちぜん鉄道三国港駅より車で8分
◇丸岡城・丸岡藩ゆかりの神社 國神神社(くにがみじんじゃ)
丸岡城が築城される時に、現在の場所に移され、丸岡藩主から大切にされてきた神社。藩主にまつわる品も社宝として保存されています。春と秋には、祭礼が行われ、多くの人でにぎわいます。
場所:坂井市丸岡町石城戸町1-2
ハピラインふくい丸岡駅より車で10分
◇城下と並ぶ重要拠点 出村(でむら)の町並み
滝谷は丸岡藩の物流の拠点といえる場所で、藩の蔵が並んでいました。藩のお金(藩札)もつくられるなど重要な場所でした。今も風情ある町並みや格子戸が残り、往時の情緒を感じることができます。
場所:坂井市三国町神明3丁目
えちぜん鉄道三国駅より車で2分
◇丸岡城のルーツ 豊原寺跡(とよはらじあと)
戦国時代まで栄えていたお寺で、山の中に建物がひしめき合っていましたが、織田信長(おだのぶなが)に焼き討ちされました。その後、この地を与えられた柴田勝豊(しばたかつとよ)が丸岡城を築いて、豊原から拠点を移しました。
場所:坂井市丸岡町豊原
ハピラインふくい丸岡駅より車で15分
◆丸岡藩誕生400年への想い
丸岡藩に詳しい人、丸岡藩誕生400年を記念したイベントに関わる地元の小学生、丸岡藩の伝統を受け継ぐ人からは、丸岡藩への愛が伝ってきます。
◇大切な歴史遺産を守り継いでいきたい
前県教育総合研究所所長、市丸岡城調査研究アドバイザー 牧野 行治(まきの こうじ)さん
教職に就いてすぐに、福井県史の編纂(へんさん)事業に携わりました。県内各地で史料調査する中、丸岡藩の政治についても強く関心をもつようになりました。しかし、丸岡藩の場合、福井藩のように藩庁文書(はんちょうもんじょ)が残存せず、詳細な部分が分からないため、研究に苦労しています。ただ、地元には寺社や旧家などに古くからの史料が残されているケースが多く、有力な手がかりとなっています。まだまだ貴重な史料が眠っていると考えられ、大切にしていきたいです。地域の歴史は私たちの宝です。身近な歴史遺産を守り、受け継いでいきましょう。これからも研究を続け、その成果を皆さんに伝えていきたいと思っています。
◇丸岡城と平章小学校の愛を伝えたい
お城EXPOでステージ発表を行う平章小学校6年生 糸崎 心音(いとざき ここね)さん(左)、古宮 羽美(こみや はみ)さん(右)
総合学習の時間に、5年生の時から「丸岡城と平章小学校」について勉強しています。グループに分かれて、丸岡城を紹介するパンフレット作成や、丸岡の自然を研究した図鑑作成、四季折々の景色を盛り込んだCM制作、丸岡の郷土料理「ごんぼ汁」のレシピの考案、丸岡城を案内する観光ガイドに取り組んでいます。この学習で、地域の人たちと交流することができてとても良かったです。勉強したことを家族に話して驚かれたり、知らなかったお城の歴史や学校の由来を知れたりするのが楽しくて、もっともっと調べたくなりました。知れば知るほど好きになる丸岡城と平章小学校を、たくさんの人に知ってほしいです!
◇328年続く神の宿る舞いは、地域の宝
長畝日向神楽(のうねひゅうがかぐら)保存会会長 山田 正行(やまだ まさゆき)さん
長畝に受け継がれ、私の生活の一部である「日向神楽」。当初、継承されていた演目は24ありましたが、今では16に。口伝えで伝授されていたため、8つの演目が歴史の中に消えてしまいました。継承に強い危機感を持ったので、日向神楽伝承館を作り、写真や映像を残し、後世に伝え続けることが私の使命だと思いました。保存会で作成したパンフレットは、父からの口伝(くでん)を基に、神楽に関するあらゆる文献を調べることで、真実性のあるものにしました。文献を読むと、先人たちの想いが伝わってきます。この想いとともに、日向神楽を地域の宝として活性化させ、1年、1年を大事に積み重ね、400年、500年と継承していきたいです。
※詳細は本紙をご覧ください。
問合せ:丸岡城国宝化推進室
【電話】50-3164
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