■「藩」ってなぁに?
歴史の教科書や時代劇などで「藩」という言葉を聞いたことがあるかと思います。藩とは、いったいなんでしょうか?
藩とは、江戸時代において、いわゆる「お殿様」と呼ばれる大名が治めた地域やその組織・行政機関などの総称を言います。その大名を「藩主(はんしゅ)」といい、また藩が支配した土地を「藩領(はんりょう)」と言いました。さらに藩内だけで通用するお金「藩札(はんさつ)」という言葉も生まれました。
なお「藩」とは、一般的には幕末から明治の初め頃に普及した呼び名で、江戸時代にはほとんど使われず、代わりに「国」や「家中(かちゅう)」などと呼ばれたようです。
藩は、幕府(将軍)からその地域の統治を任され、自分の領内から年貢(ねんぐ)(米)などを徴収し、自治権や裁判権も持っていましたが、幕府に対してはさまざまな役目をつとめる義務がありました。また藩主は家臣や領民の保護も求められ、幕府から藩主としてふさわしくないと見なされると、領地を没収されたり(改易(かいえき))、他の場所に移されたり(転封(てんぷう))するなど、処分を受けました。なお落ち度がなくても、政治的な理由により、転封を命じられて他所に引っ越すこともあったようです。
江戸時代を通じて、多少の増減はありましたが、全国に大小約300の藩があり、現在の福井県域には、福井藩、丸岡藩、大野藩、勝山藩、鯖江藩、小浜藩など10ほどの藩が存在していました。そのうち坂井市域には、幕府が直接治めた幕府領、福井城を居城とした大名が治めた福井藩、また市内に現存する丸岡城を居城とした大名が治めた丸岡藩などの領地が広がっていたようです。
今年は、丸岡藩が誕生して400年になります。丸岡藩がいったいどのように誕生したのか、また丸岡城や丸岡藩にまつわるあれこれを、この「さかい風土記」で紹介していきたいと思います。
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