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さかい風土記160 丸岡藩主有馬(ありま)家と日向神楽(ひゅうがかぐら)

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福井県坂井市

■お殿様と一緒にやってきた
丸岡町の長畝(のうね)八幡神社では、毎年9月の第3土曜日の夜と日曜日の昼に日向神楽が奉納されます。日向神楽は天岩戸(あまのいわと)神話(天照大御神(あまてらすおおみかみ)が岩戸に閉じこもってから外に連れ出されるまでの神話)をモチーフとした神楽で、昭和28年(1953)に県指定文化財に指定されました。ところで、日向神楽のルーツが宮崎県延岡(のべおか)市にあることをご存じでしょうか。
日向神楽は、もとは日向国(ひゅうがのくに)(現在の宮崎県)で、万治(まんじ)3年(1660)に当時の延岡藩主であった有馬康純(やすすみ)が、祖父の50回忌を機に神楽を奉納させたことから始まります。康純の息子である清純(きよすみ)が延岡から越後国(えちごのくに)(現在の新潟県)の糸魚川(いといがわ)を経て、元禄8年(1695)、幕府の命令で丸岡に移された際、神楽の舞人(ぶじん)も随行させたことで日向神楽も丸岡に伝わりました。丸岡に移った後も、祖先の霊の慰めや、領内の平穏無事と五穀豊穣を願い、丸岡城下にある各神社で日向神楽の奉納は続けられました。神楽は丸岡藩直属の舞人たちによって奉納されていたため、明治4年(1871)の廃藩置県により途絶えてしまいますが、明治15年(1882)に、丸岡町長畝の有志が神楽用具とともに日向神楽を引き継ぎ、現在は長畝日向神楽保存会が継承しています。
日向神楽の演目は、天照大御神が岩戸に閉じこもってから外に連れ出されるまでを表す夜神楽と、天照大御神が外に出て、世の中に光が戻った喜びを表す昼神楽に分かれています。現在は16種類の舞が継承され、その中でも「問(とい)」「柴引(しばひき)」「手力雄(たちからお)」「戸取(ととり)」「眞ノ舞(しんのまい)」「策(むち)」「注連(しめ)」は岩戸七番と呼ばれ大切にされています。
今年は、9月21日(土)の午後7時から夜神楽を、22日(日)の午後2時から昼神楽を奉納します。丸岡藩誕生400年を迎えるこの機会にご覧になってはいかがでしょうか。

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