■祝”日本遺産”追加認定!~日本遺産についての基礎知識~
6月21日、美浜町は〝日本遺産〞「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間〜北前船寄港地・船主集落〜」に認定されました。
本コラムでは、先の12月号と2月号で、この度の認定の決め手となった「美浜と北前船の歴史」について取り上げました。
そこで今回は、もう一つのキーワードである〝日本遺産〞について、紹介します。
〝日本遺産〞とは、文化庁が認定する文化財を対象とした枠組みですが、有形・無形を問わずさまざまな文化財(構成文化財)により語られる歴史・文化の『ストーリー』を認定し、その魅力を発信し、地域活性化を図ることを目的とするものです。
初めて〝日本遺産〞が認定されたのは平成27年4月のことでした。この際に認定されたのはお隣の若狭町と小浜市の文化財から構成される「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群〜御食国(みけつくに)と若狭と鯖街道」を含む18件のストーリーでした。後にその数は増え、現在全国で104件が認定されており、その内5つのストーリーに福井県の市町が関わっています。
「北前船寄港地・船主集落」は平成27年に11市町が認定されました。以降、翌年に27市町、令和元年に7市町、令和2年に3市町、そして令和4年に岡山県備前市が認定され、この度、美浜町と共に新潟県村上市、岡山県岡山市が追加認定されたことで、合計52自治体で構成されることとなりました。
江戸時代から明治時代にかけて、日本海と瀬戸内海を股にかけ、北海道から大阪間を交易しながら航海した北前船により栄えた港町が各地に分布することから、〝日本遺産〞の中でも最も広範囲で展開するストーリーとなっています。
福井県内では、初期の構成自治体である敦賀市をはじめ、北前船の主要寄港地である三国港と船主たちも参加した、三国祭で知られる坂井市、現在の損保ジャパン日本興亜の前進、日本海上保険の創業家である右近家等の船主屋敷が現存している南越前町、そして若狭を代表する港町として、往時の街並みや建築物を伝える小浜市が認定されています。
今後、他の北前船寄港地や船主集落とともに、美浜町の歴史文化には益々注目が集まることでしょう。〝日本遺産〞への認定が大きなターニングポイントとなることは間違いありません。
(美浜町歴史文化館)
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